【トヨタ マークX 試乗】ドライバーを魅了するエンジン…萩原秀輝

試乗記 国産車
マークX 新型
マークX 新型 全 6 枚 拡大写真

トヨタの新型『マークX』には、2.5リットル仕様と3.5リットル仕様のエンジンが用意されている。どちらも、V型6気筒であり燃料を燃焼室に直接噴射するD-4(3.5リットルはD-4S)を採用する。最高出力は、2.5が203psで3.5は318psを発揮。数値だけを示すと、3.5リットル仕様の方に魅力を感じるが一概にそうとは言いきれない。

なぜかといえば、2.5リットル仕様は3.5リットル仕様と同じシリンダーヘッドを採用しているからだ。つまり、より高性能なエンジンの主要機能がおごられているわけである。したがって、レース仕様のエンジンで高性能化を実現するために吸気管や排気管の径を拡大するような効果が期待できる。

実際に、2.5リットル仕様はエンジンの吹き上がりが軽快そのものだ。エンジン音も小気味よく、高回転域を使うことに何のためらいも感じない。むしろ、場面が許せば積極的にアクセルを踏み続けたくなる。それでいて、実用回転域でも必要にして十分以上の力強さを確保している。

一方、3.5リットル仕様は低回転域から力強さがみなぎる。エンジン性能曲線を確かめると、2000回転台で最大トルクの90%以上を獲得していることがわかる。さらに、3000回転台の後半から迫力のある吸気音を響かせる。しかも、直接噴射にポート噴射が加わり一段と力強さが増すだけに、高回転域まで引っ張るまでもなく刺激の強さに驚かされるはずだ。

つまり、2.5リットル仕様は吹き上がりの軽快さで、3.5リットル仕様は加速の力強さで、それぞれにドライバーを魅了する。ダンパーの減衰力を連続可変制御するAVSを装備するSパッケージ系や350Sであれば、そうしたエンジンの特徴を余すことなく路面に伝えることが可能なのでコーナーが連続する山岳路をスポーティに駆けぬける楽しさも得られる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

萩原秀輝|モータージャーナリスト、AJAJ理事
在学中よりレポーターとして活動。同時期からツーリングカー・レースに参戦。連続入賞や優勝の経験がある。そうした経験を生かし「クルマの走り」と「ドライビングの理論」について深い洞察力を持つ。自動車メーカーなど主催の安全運転教育インストラクターの経験も多数。とくに、日本に初めて実践型安全運転教育を導入した輸入車系のスクールでは、受講者が累計で1万人を越えた。

《萩原秀輝》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  3. かつてのマーチ、新型日産『マイクラ』英国発売に、SNSでは「英国は小型車の価値を知ってる」「日本でも売りゃいい」の声
  4. 4億円オーバーのV12エンジン搭載「完全アナログ」なハイパーカー登場!
  5. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る