GMは7日、米デトロイト・ハムトラミック工場に3億3600万ドル(約300億円)を投資すると発表した。2010年後半に生産が始まる新型プラグインハイブリッド車、シボレー『ボルト』の最終組み立てに備える。
新型ボルトは家庭用コンセントからも充電できるプラグインハイブリッド車。GMが「エクステンデッドレンジEV」と呼ぶように、基本はモーターのみで走行し、エンジンを充電専用としている点が、同じハイブリッド車のトヨタ『プリウス』との最大の違いとなる。
ボルトのモーターは最大出力150ps、最大トルク37.7kgmを発生し、最高速度は161km/h。2次電池は蓄電容量16kWhの大型リチウムイオンバッテリーで、充電時間は120Vコンセントで約8時間、240Vコンセントで約3時間だ。
フル充電時の最大航続距離は40マイル(約64km)。バッテリー残量が少なくなると、発電用の1.4リットル直4エンジンが始動。ジェネレーターを回して、モーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電。その結果、航続可能距離は480km以上まで伸びる。「エクステンデッドレンジEV」という名前の由来は、エンジンを回すことで走行距離を延長する電気自動車、という意味が込められている。
ボルトの最終組み立ては、ミシガン州にあるGMのデトロイト・ハムトラミック工場が担当。今回、GMは同工場に3億3600万ドル(約300億円)を投資し、製造ラインを整備すると発表した。同工場は1985年に稼動し、約1200名の従業員を雇用している。
今回の決定により、GMがボルト生産に関連して、ミシガン州8工場へ投資する総額は、7億ドル(約630億円)規模に。GMのJon Lauckner副社長は「ボルトに関連した投資が新たな雇用を創出し、ミシガン州、そして米国の自動車産業の競争力を高める」と強調している。