米国のケプラーモータースは16日、ドバイ国際モーターショーにおいてスーパーカー、『モーション』を発表した。最大出力800psのハイブリッドシステムを搭載。0-96km/h加速2.5秒以下、最高速322km/hオーバーの圧倒的性能を掲げる。
米カリフォルニア州に本拠を置くケプラーモータースは、インディカーのテストドライバーやドラッグレース参戦の経験を持つラス・ウィックス氏が設立し、CEOを務める新興メーカー。同氏は陸と水上の両方で、320km/h以上の最高速記録を保持する、世界で唯一の存在として知られる。2007年10月にはNASCAR仕様のダッジ『チャージャー』で最高速チャレンジを行い、394km/hというギネス新記録を打ち立てている。
そんなスピードに魅せられたラス・ウィックスCEOが送り出してきたスーパーカーがモーションだ。ミッドに置かれるエンジンは、フォード『トーラスSHO』などに積まれる直噴3.5リットルV6ツインターボ「エコブースト」をチューニングしたユニット。最大出力は365psから185psアップして、550psを引き出す。
フロントには最大出力250psのモーターを搭載。2次電池には、リチウムイオンバッテリーを使用する。エンジンとモーター合わせたトータル出力は800ps。エンジンが後輪、モーターが前輪を駆動する4WDとなる。
モノコックのシャシー&ボディは、カーボンファイバーコンポジット素材を使用して軽量に仕上げられ、0-96km/h加速2.5秒以下、最高速322km/hオーバーという世界最高峰のパフォーマンスを実現。トランスミッションはパドルシフト付きの7速デュアルクラッチだ。
4輪ダブルウイッシュボーンの足回りには、アクティブサスペンションを導入。ローンチコントロール、トラックアシスタントシステム、カーボンセラミックブレーキなども採用された。タイヤはミシュラン「パイロットスポーツ」で、フロントが275/35ZR19、リアが335/30ZR20サイズを履く。
数々の最高速チャレンジから得たノウハウは、モーションのエアロダイナミクスフォルムに結実。ボディサイズは全長4435×全幅2000×全高1185mm、ホイールベース2867mmと公表されている。
ケプラーモータースは、このモーションを50台ハンドメイド生産し、2011年に発売予定。価格は現時点では公表されていない。ラス・ウィックスCEOは、「中東は世界最大のエクスクルーシブ・スーパーカーのマーケット」と意気込むが、ドバイショックの影響でオイルマネーの購買力に陰りが見える中、どれだけのオーダーを獲得できるか注目される。