クライスラー、フィアット500 の米国現地生産を決定

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フィアット 500
フィアット 500 全 3 枚 拡大写真

クライスラーグループは17日、米ミシガン州のエンジン工場を拡張し、2010年後半からフィアットの「マルチエア」エンジンを生産すると発表した。このエンジンは、2011年から米国で現地生産を始めるフィアット『500』に搭載される。

クライスラーが拡張するのは、ミシガン州ダンディーのGEMA(グローバル・エンジン・マニュファクチャリング・アライアンス)工場。2005年10月に北工場が稼動し、おもにガソリン直4エンジンを生産している。クライスラーは1億7900万ドル(約160億円)を投資して、南工場を建設。2010年9 ‐ 12月から、フィアットの1.4リットル直4マルチエアエンジンを、「FIRE」(ファイア=フル・インテグレーテッド・ロボタイズド・エンジン)の名前で生産する。

マルチエアエンジンは、フィアットグループが2009年6月に発表。開発はFPT(フィアット・パワートレーン・テクノロジー)が担当した。電子制御油圧バルブが開閉タイミングとリフト量を制御し、トヨタの「バルブマチック」やBMWの「バルブトロニック」などと同様に、スロットルバルブを使わずに、吸排気バルブをコントロールするのが特徴だ。

マルチエアの1.4リットル直4ガソリンエンジンは、105ps(NA)、135ps(ターボ)、170ps(ターボ)の3仕様を用意。フィアットによると、同排気量のガソリンエンジンと比較して、パワーは最大10%、トルクは最大15%、燃費は最大10%向上。CO2排出量は最大10%低減。PM(粒子状物質)は最大40%、NOx(窒素酸化物)は最大60%も削減する効果があるという。このマルチエアは、フィアットの『プントエボ』、アルファロメオの『MiTo』に搭載されることが決まっている。

米国で製造するマルチエア(ファイア)エンジンは、2011年から米国で現地生産を開始するフィアット500に搭載。そのまま米国市場へ投入され、小型車需要の拡大に対応する。

フィアット製エンジンとフィアット500の米国生産を決断したのは、フィアットとクライスラーの両グループを統括するセルジオ・マルキオーネCEO。同CEOは「これはフィアット・クライスラー連合の成長に向けた重要なステップ」と強調する。2009年1月の両社の資本提携後、具体的成果が表れた初の事例として、注目できる。

《森脇稔》

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