4代目になったステップワゴンは、ひとつ飛び抜けた特長はないのだが、これまでの実績を生かしてソツのないクルマに仕上がっている。
ステップワゴンの特徴である室内の広さはこれまで以上で、さらに効率良く使えるようになっている。例えば3列目シートも床下収納になり、畳んだときのラゲージスペースを拡大させている。
スペックより身を取った燃費向上対策により実用燃費も良くなったようだ。エンジンは日常使う2000 - 3000rpmでトルクを太くしたからCVTとのマッチングもよく、実際に走りやすい。ECONモードとコーチング機能も付けて、ドライバーがよりエコドライブしやすいクルマになった。
ハンドリング性能も背の高いクルマにしてはロールも感じないし、ふらつくこともない。サスペンションを変えてロールセンター高を低くしたようだが、バネとダンパーのチューニングも熟成している感じだ。
クルマの左下の死角を見るためにふたつのミラーを使い、Z型に反射させてドライバーに見せる新しい方法はおもしろい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア・居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
こもだきよし|モータージャーナリスト/日本自動車ジャーナリスト協会副会長
学生時代から始めたレースをきっかけに、タイヤのテストドライバーになり、その後フリーランスのモータージャーナリストに転身。クルマが好きというより運転が好きなので、その視点でクルマの評価をしている。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、JAF交通安全委員会委員、警察庁(交通企画課/運転免許課)各種懇談会委員、グッドパーキング選考委員、全国道路標識・標示業協会理事、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなどの肩書を持つ。