「才」と「彩」が開発時のキーワードだったという。ハイブリッド機構を始めとする先進性と、手頃な高級車という価値観を融合させたのが、この『SAI』のコンセプトだ。
実車は、まさにその通りの仕上がりぶり。ほぼ1500mmの全高ながら0.27のCd値を達成した外形デザインが、個人的にはやや抑えを効かせすぎでは? と思った。独立トランクをもつセダンにしたかったのはわかるが、フロントに較べリヤがコンサバな形に映る。なおルーフパネルのみレクサス『HS250h』と共通とのこと。全7色設定のボディ色はどれもセンスがいい。
室内はモダンで、細部までかなり造り込まれている。質感が高く、蓋物の開閉タッチ、ドアグリップの触感なども上等だ。
走りは2.4リットルだけあって余裕があり、実に力強くスムース。2700mmのホイールベースを生かしたフラットライドを実現、ワインディングでも安定した走りをみせる。18インチタイヤ装着車の「G」が、挙動が正確で走らせる楽しみを味わわせてくれた。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。