【プリウス プラグインHV 発表】いやがうえにもエコランを意識させる

エコカー EV
プリウス PHV のエネルギーモニター
プリウス PHV のエネルギーモニター 全 10 枚 拡大写真

昨年12月にリースが開始された世界初の量産プラグインハイブリッド車(PHEV)、トヨタ『プリウス プラグインハイブリッド』。東京都内の一般路、および首都高速道路での短距離試乗の機会を得た。

コースは水道橋にあるトヨタ東京本社と臨海副都心の大型ショールーム、メガウェブ間。往路は首都高、その後メガウェブで容量の約90%まで充電し、帰路は一般路を走った。往復とも15kmほどの距離だったが、わざとエンジンがかかる領域までスロットルを踏み込んだ時を除き、バッテリーに蓄えられた電力のみで走り切った。

JC08モード走行時のEV走行可能距離は23.4km。EVの航続距離に影響の大きい電気ヒーターをつけっぱなしにしていたが、公称航続距離の3分の2は十分に実用域と考えてよさそうだ。もちろんバッテリーの電力を使い果たしても、普通のハイブリッドカーとして引き続き走行可能だ。

ドライブフィールは昨年、クローズドコースで乗った時と変わらず、良くも悪くも“普通のプリウス”という感覚だ。ノーマルのプリウスの特色である無味無臭的な性格をそのまま受け継いでいる。EV走行時はエンジンがまったくかからないため、非常にスムーズだが、一方でPHEVならではという特別感は薄い。パワートレインからのノイズは極小だが、そのぶん外部騒音が耳につくなど、PHEVならではの特別感の演出はまだこれからという感が強い。こうした商品性については、一般ユーザーへの市販が始まる2011年末までに向けて鋭意ブラッシュアップが図られるという。

ドライブ中、楽しく感じられたのは、エネルギーモニターに表示されるエネルギーマネジメント情報だ。フル充電状態のときには航続距離23.4kmと表示され、走るにつれて次第にその数値が減っていく。発進加速の時には、わずかの間に500m分も減ってしまう一方、回生ブレーキによる発電を意識した減速を行うと、これまた200 - 300m分はすぐに回復するのだ。いやがうえにもエコランを意識させられる。

EVとハイブリッドカーの中間的性格を持つ次世代エコカー、プリウスPHEV。今後、トヨタが価格を含め、市販モデルをどう仕立てていくか、興味深いところだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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