無料化社会実験後もETCは必要---馬淵国交副大臣

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民主党はマニフェストで高速道路の無料化を国民との約束として掲げる。10年度から12年度の3年間で、無料化を実現する予定だ。その対象路線は近日中に発表されるが、利用者にとって、路線と同じく気になるのが、ETC(自動料金収受システム)のことだ。

前自民党政権では、高速道路の割引はすべてETC車載器を利用することを前提としていたが、無料化を目指す民主党政権では、それが絶対条件ではない。

10年度の社会実験を前に、すでに馬淵澄夫国土交通副大臣は、ETC車載器を搭載していない車両も無料化や割引の対象にすることを検討中と語った。四輪車の車載器の販売は、土日祝日上限1000円が打ち出されるとともに品切れ状態が続くほどの高い売れ行きを示したが、民主党政権後はぱったりと売れなくなった。四輪車以上に二輪車用ユーザーにとっては、車載器は取付費用込みで4万円前後と高額のためETCのゆくえは他人ごとではない。

そこで馬淵副大臣を直撃した。

--- 無料化社会実験後も、ETCは必要か?

「前から話しているように、一気呵成(いっきかせい)に全線無料になるわけではないので、基本的にETCが必要でなくなることは、今の段階では考えていない」

--- ETC車載器を取り付けていない車両も割引、無料対象と話しているが?

「今までの割引では、なぜ車載器を取り付けていないと対象にならないのかという批判があった。そういう利用者のことも考えなければならないという認識を持っている」

高速道路の無料化は、首都高速や阪神高速を除くほか、渋滞が悪化し交通に影響を及ぼす路線は実施の対象外としている。馬淵氏のいうように車載器がすぐに無駄になることはないようだ。しかし、料金支払いのために車載器を購入するユーザーにとって、せめて購入負担分費用は優遇されなければ、わざわざ取り付けている意味はない。近日中に予定されている社会実験のあり方は、大いに注目に値する。

民主党は公務員制度改革の一環として独立行政法人や公益法人の見直しを進める。馬淵氏は、ETCの登録情報を管理する財団法人「道路システム高度化推進機構」(ORSE)の担当でもある。

《中島みなみ》

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