マッサ、フェラーリ599XXを試す…「最高に楽しい」

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
599XXとフェリペ・マッサ選手
599XXとフェリペ・マッサ選手 全 6 枚 拡大写真

フェラーリは1月31日、『599XX』のシェイクダウンテストを、スペイン・バレンシアサーキットで実施した。今年初のF1テストを控えたフェリペ・マッサ選手も参加した。

599XXは昨年3月のジュネーブモーターショーで公開。『599GTBフィオラノ』(日本名:『599』)をベースにしたレース専用車だ。

フェラーリは2005年12月、『エンツォ』をベースにしたレース専用車、『FXX』を29台限定生産。このFXXにはF1マシンと同様のテレメトリーシステムが搭載され、サーキット走行中の細かいデータを収集。そのデータが、フェラーリの今後の新型車に反映されるという新車開発プログラムの一端を担っていた。

599XXもFXXと同様の新車開発プログラムだ。わずか12台が生産され、ワンメークレースという形を取りながら、そのノウハウが将来、フェラーリが発売するニューモデルに生かされる。顧客にとっては、フェラーリの新車開発プログラムに参加できることが、最高の栄誉といえる。

599XXには、フェラーリF1の最先端技術をふんだんに注入。エンジンは599GTBフィオラノの6.0リットルV型12気筒をベースに、専用クランクシャフトやカーボン製インテークなどを採用し、吸排気系を効率アップ。ベース車よりも80psパワフルな700psを発生する。レブリミットも9000rpmに高められた。トランスミッションは6速2ペダルMTの「F1マチック」だが、その変速スピードは0.06秒に短縮されている。

ボディは軽量化と空気抵抗の低減が徹底的に図られた。アルミやカーボン素材を積極的に導入。風洞実験を繰り返し、専用のバンパー、大型リアウイング&ディフューザーを含むエアロパーツ類が開発された。その結果、599XXは200km/h走行時に280kg、300km/h走行時に630kgという強烈なダウンフォースを獲得している。

足回りは第2世代のSCMサスペンションやサーキット仕様のカーボンセラミックブレーキを標準装備。タイヤはレーシングスリックで高いグリップを発生する。フェラーリによると、イタリア本社テストコースでのラップタイムはFXXを凌いだという。これは市販車ベースのレースマシンとしては、歴代フェラーリ最速を意味する。

フェラーリは1月31日、12名の顧客をスペイン・バレンシアサーキットに招待し、599XXのシェイクダウンテストを実施。翌日からのF1テストを控えたフェリペ・マッサ選手も参加した。

599XXを初ドライブしたマッサ選手は、「パワフルで安定していて、最高に楽しい。レース専用車としては、異例の扱いやすさじゃないかな」とコメントしている。

フェラーリは、この599XXを使ったワンメークレースを、欧州、米国、アジアなどで開催予定。価格は公表されていないが、FXXの価格が、メンテナンス料や各サーキットへの輸送費込みで150万ユーロ(約2億円)だったことを考えると、599XXもそれに近い額と推測される。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る