トヨタ佐々木副社長「苦情のすべてを調査する力が足りなかった」…記者会見

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17日17時の会見で、品質向上活動の具体策を表明する佐々木副社長(向かって左。撮影=中島みなみ)
17日17時の会見で、品質向上活動の具体策を表明する佐々木副社長(向かって左。撮影=中島みなみ) 全 1 枚 拡大写真

強いトヨタ自動車を支えるのは、その実直さだ。米国内を中心とするアクセルトラブル、日本国内を中心とするブレーキの不具合、これらの世界で沸き上がるトヨタ車への懸念に対して、同社はいつもと同じように実直に対応してきたつもりだった。

だが、その姿勢がさらに反発を強めた。17日の会見で佐々木眞一副社長は、この点について反省の弁を述べた。

米国内で多発する電子スロットルが戻らず加速するという質問に答えた時のことだった。フェールセーフの思想でシステムが設計され、法的基準より厳しい水準で試験し、万全を期していると語った後、佐々木氏は自身に言い聞かせるように言った。

「それではなぜ、いまだにみなさんから疑問を投げかけられ、トヨタが答え切れてないかというと、私どもはすべてのお客様の事例について調べ切れていなかった。これをすべて調べ切れていれば、このケースはこういう理由でしたということがお話できて、それが電子スロットルが原因ではない、ほかの原因だったということが証明できる。それができていたなら、疑問は自動的に晴れてくると考えている」

波紋のように広がる懸念に、同社の慎重な対応は、明確な答えを出し渋っているように思わせた。しかし、それは最後の1台まで原因を追求するスピードに欠けていたことが原因だ。佐々木氏は、こう話しているようだった。

「その体制が少し弱かったことを率直に反省して、イベントデータレコーダー(EDR)などの活用もさらに一段と加速して、その懸念を断つ活動を評価していきたい」

同社によると、これまでも車両に標準でEDRが搭載されていた。EDRにはコンピュータや車両の実際の動きなどのデータが蓄積されている。飛行機のフライトレコーダと同じだ。これまでユーザー側に配慮して、積極的な活用を図ってこなかった。同社のこのデータを、今後は技術的な調査や修理に必要となる情報として広く活用せていくことを、正式に表明したのだった。

《中島みなみ》

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