今さら訊けない? EV用充電スタンドの違い

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第三京浜保土ヶ谷SAに設置されている急速充電器(高岳製作所製)
第三京浜保土ヶ谷SAに設置されている急速充電器(高岳製作所製) 全 12 枚 拡大写真

電気自動車(EV)の普及に向け、EV・PHVタウン選定都市などを中心に充電設備の拡充が図られている。コイン式駐車場や商業施設などで見かける機会も増えた充電スタンド。だが、ひとくちに「充電スタンド」といっても実は「普通充電器」「倍速充電器」「中速充電器」「急速充電器」と大きくわけて4つの種類がある。違いはどこにあるのか。

「普通充電器」は家庭用電源と同じ100V電源。差し込み口はいわゆる家庭にあるコンセントと同じだ。満充電までの時間は『i-MiEV』で半日程度かかる。供給電力自体は家庭用電源と同じため、充電器の価格も数万円程度からと比較的安価。盗電防止のために施錠できる、またはICカードなどによる認証機能を備えるものもある。

これに対して「倍速充電器」は文字通り倍の200V。100V普通充電器の倍の電力を供給するため、充電時間はi-MiEVであれば6 - 7時間で満充電となる。現在のところ、200Vも合わせて普通充電器と呼ぶことが多く、100Vと200V両方の充電口を備えた充電器も数種類販売されている。

「急速充電器」は出力が最大500Vと高く、大型の充電器を設置する必要がある。大量の電力が流れるため充電口のケーブルも普通充電器のものやガソリンスタンドの給油ガンと比べてもかなり太く重い。差し込み口もEV専用の3相で、日本で発売されるEVの急速充電口の規格は同一だ。充電時間は、8割の充電でi-MiEVで15分 - 20分。EVの短所である充電時間をかなり短縮できるが、本体のみで350万円程度と非常に高価。これ以外に設置費用や場合によっては電力の拡張工事費用などがかかる。

「中速充電器」は、高価な急速充電器の導入コストを抑えるために開発が進められているもので、現在はまだ販売されている機種は少ない。ちょうど急速と倍速の中間のスペックとなる。

充電器メーカー各社では、個人認証機能や情報通信機能の追加、一方で機能の簡素化による低価格化の試みなど、様々な挑戦をおこなっている。EV普及に伴い、更に様々な充電器が開発されるだろう。まずは4月、三菱i-MiEVの個人向け販売開始が充電器にとってもひとつの転機となりそうだ。

《宮崎壮人》

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