BMWは22日、『メガシティビークル』(プロジェクトネーム)と呼ばれる新型EVを、ドイツ・ライプツィヒ工場で生産すると発表した。数年以内に量産体制に入ると見られる。
BMWは2010年1月、デトロイトモーターショーに、『1シリーズクーペ』をベースにした実験用EV、『コンセプトアクティブE』を出品。同車は、最大出力170ps、最大トルク25.5kgmを発生するモーターを、リアアクスルに搭載。2次電池はBMWと協力関係にあるSB Liモーティブ社製のリチウムイオンバッテリーで、ボンネットと燃料タンク部分にレイアウトした。前後重量配分は、ほぼ50対50という理想的なバランスを実現する。
リチウムイオンバッテリー搭載により、車両重量は1800kgへ増加。それでも、0 - 100km/h加速は9秒以下、最高速は145km/h(リミッター作動)の動力性能だ。充電は欧州規格の230V/240V、50Aソケットで約3時間、米国規格の32Aソケットで約4.5時間。最大航続距離は、約160kmを確保している。
BMWは、このコンセプトアクティブEを使用して、EVの大規模実証実験を行う計画。そのノウハウが、市販EVのメガシティビークルに応用される。
BMWは今回、メガシティビークルの生産をドイツ・ライプツィヒ工場で行うと宣言。これに関連して、ドイツの複数の工場に、設備投資を行うと発表した。生産開始時期は明らかにされていないが、数年以内に量産体制に入ると思われる。
すでにBMWは、SGLカーボン社、SGLオートモーティブファイバー社と合弁会社を立ち上げ、低コストのカーボンファイバーなど、次世代軽量素材の開発に着手。メガシティビークルには、その成果が反映されるという。
メガシティビークルは、BMWの哲学、「エフィシエントダイナミクス」(より少ないエネルギーで、より高い性能を)を、最も高次元で実現したEVとなるはず。その登場に期待が高まる。