フォードの新型ポリスカー登場、競争激化へ

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ポリスインターセプター
ポリスインターセプター 全 4 枚 拡大写真

フォードモーターは12日、米国向けの新型『ポリスインターセプター』を発表した。現行『クラウンビクトリア』がベースのポリスカーの後継車で、2011年後半から生産を開始。エンジンはV8からV6に変更し、燃費は最大で25%引き上げられている。

フォードは米国においてフルサイズセダン、クラウンビクトリアを、年間4万5000台から6万台、警察へ納入。米国ポリスカー市場において、15年連続でナンバーワンシェアを維持してきた。しかし、クラウンビクトリアは基本設計の古さが否めず、GMが2009年10月、新型ポリスカーの『カプリス』を発表したこともあり、フォードは新型車の開発を急ピッチで進めてきた。

新型ポリスインターセプターは、『トーラス』をベースに開発。安全性、パフォーマンス、耐久性、快適性、機能性が重要視された。米国のポリスカーといえば、V8エンジンを積むフルサイズFRセダンというのが常識。この条件に見合うモデルを世界中から探すと、オーストラリアフォードが販売する『ファルコン』がベースになるとの説が有力だった。ところが、フォードはベース車両にトーラスを選択。これは、燃費の向上と密接な関係がある。

新型ポリスカーは、クラウンビクトリアの4.6リットルV型8気筒エンジンに代えて、トーラス用の3.5リットルV型6気筒を搭載。最大出力は263psを発生する。ガソリン15%、エタノール85%の割合で混合したE85燃料に対応。燃費はクラウンビクトリア比で、最大25%引き上げられた。

さらに、フォード自慢の「エコブースト」エンジンも用意。直噴3.5リットルV型6気筒ツインターボエンジンは、最大出力365ps、最大トルク48.4kgmを引き出す。V8並みのパワーとV6の燃費を両立するフォードの新世代ユニットだ。

駆動方式はFRではなく、トルク配分式の4WD。トランスミッションは6速AT「セレクトシフト」で、コラム方式とし、インパネ周辺の機能性を高めている。ブレーキやエンジン冷却性能も強化された。

インテリアは、90%以上のパーツを一新。前席は、長時間のパトロール業務に対応して、快適性に配慮して専用設計。ビニール製のリアシートは、シート位置を後方へ移動し、足元の空間を拡大した。リアドアは10度大きく開き、乗降性をアップさせている。

安全面では、120km/hでの追突に耐える高強度ボディのほか、サイドカーテンエアバッグ、レーダーを使ったBLIS(ブラインドスポットインフォメーションシステム)とクロストラフィックアラートを装備。リアビューカメラや、カーテレマティクスの「SYNC」も採用された。

新型ポリスインターセプターは、現行クラウンビクトリアが製造を終了する2011年後半から、シカゴ工場で生産開始。フォードは今秋には、SUVタイプのポリスカーも発表する計画だ。

これで、GMのシボレーカプリス、カーボンモーターズの『E7』と、米国では新型ポリスカー3台が出そろった。米国の警察関係者を巻き込んで、激しい受注競争が繰り広げられそうだ。

《森脇稔》

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