トヨタ、NUMMI閉鎖でUAWと最終合意

自動車 ビジネス 企業動向
北米トヨタは18日、4月1日にNUMMIを閉鎖することでUAWと最終合意したと発表(写真は1985年のNUMMI)
北米トヨタは18日、4月1日にNUMMIを閉鎖することでUAWと最終合意したと発表(写真は1985年のNUMMI) 全 6 枚 拡大写真

18日、北米トヨタはカリフォルニア州フリーモント市にあるGMとトヨタとの合弁工場NUMMI(ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャラーズ・インク)のUAW(全米自動車労組)と、4月1日の工場閉鎖に関する最終合意に至ったことを発表した。

NUMMIの閉鎖については昨年8月、合弁相手であるGMの撤退に伴い、トヨタ1社ではNUMMIを維持出来ないとして3月末での操業終了を決定していたが、UAWの反対で合意を得られていなかった。最終的にトヨタが追加で2億8千万ドルの資金をボーナスという形で援助することで最終合意を得られた模様だ。

UAWによると、17日に工場閉鎖を承認する投票が行われ、約4500名のNUMMI組合員90%の賛成票を得て採決されたという。

これによりトヨタが北米で現地生産を開始した最初の工場であるNUMMIの25年の歴史は4月1日で幕を下ろすことが正式に決定した。またGMとの合弁会社ということでNUMMIにはトヨタの北米工場としては唯一UAWが存在していたが、同工場閉鎖によりUAW加盟のトヨタ車生産工場はなくなる

トヨタは声明の中で、「NUMMIとUAWが合意に達し、このパイオニア的な合弁事業に貢献したNUMMIチームに報いることができるのは喜ばしい限りです。トヨタは4月1日まで車両を生産し続けるNUMMIのチームメンバーのため、ボーナスとして約2億8000万ドルの資金援助を行います。NUMMIのチームメンバーと我々は、相互信頼と敬意で結ばれた関係を築いてきました。今回NUMMIメンバーがスムーズに次のステップへ進むために、我々ができる援助を行えたと思っています。」とコメント。

UAW副代表のジミー・セトルズ氏は、NUMMIのUAWでの激務と団結を称賛したうえで、「オペレーションが終結することは大変残念です。工場閉鎖は我々が望んだ結末ではありませんが、今回の合意条件は閉鎖に伴うメンバーに与える影響を和らげることにプラスとなるでしょう。」と語った。

現在NUMMIで生産されている『カローラ』はカナダ工場(TMMC)と一部日本国内からの輸入に切り替わり、ピックアップトラックの『タコマ』はテキサス州サンアントニオ工場(TMMTX)へと移行する。

《ケニー中嶋》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産、第3世代e-POWER向けエンジンに世界初技術…コールドスプレー工法バルブシート採用
  2. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  3. あさひ、通勤向け電動アシスト自転車「OFFICEPRESS-e」モデルチェンジ…安全性と整備性を向上
  4. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  5. ジープ初の1.6リットルターボハイブリッド搭載、SUV『チェロキー』新型が四角い新デザインで登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る