【ルノー ルーテシアRS 登場】ハイテクスポーツカーに対するアンチテーゼ

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ルーテシアRS
ルーテシアRS 全 10 枚 拡大写真

ルノー『ルーテシアRS』。ある意味フランス車らしく、エンジンよりシャシーが速い。

画像10枚:ルノー ルーテシアRS

というか、200PSオーバーのスペックのわりには思ったよりパワー感はない。それゆえこのパワーをフルに使ったワインディングが楽しい。さらに高速道路でのグランドツーリング性能も光る。またこんな見かけにも関わらず、乗り心地も素晴らしくよく、街乗りも苦にならない。

シートがいいのもまさにフランス車だ。コンパクトなのに大人が4人ちゃんと乗れるし、ペダル配置にも右ハンドル化の弊害が出ていない。総合的に見て、たいへん完成度の高い「喜ばしいガソリン車」だ。

そして走行性能がウリのはずなのだが、乗ってとても癒されるクルマだ。NAであること、パワー感がほどほどで操っている実感があること、マニュアルトランスミッションがいまどき新鮮であること、などなど、ちょっぴり懐かしく、アンダーパワーでケレン味なしのローテクカーだと断定できる。それゆえ、安心して「昔のように」心地よく、走りまくることができたのだった。

昨今、多くのスポーツカーがハイテクの塊になっている。手にあまるパワーを電子的に適性制御し、電子的に曲げ、電子的にギア比を変え、絶対的に止まる。それなりの対価を支払えば、ものすごい速さ、快適な乗り心地や安全性、操縦安定性、燃費や環境性能を兼ね備えたハイテクな楽しさが手に入るわけだが、それらに対するアンチテーゼがこのルーテシアRSなのでは、とも思える。つまりは楽しいクルマはローテクでも十分、ということだ。

F1譲りのエアロダイナミクスは盛り込まれているが、ルーテシアRSなら通勤も楽しみとなるし、日曜に軽くとばせばストレス解消も出来るだろう。そんなクルマは日本車ではもうほとんど見かけない。新型ハイブリッドスポーツのホンダ『CR-Z』などは、まさに対極のハイテクカーだが、日本でのプリミティブなスポーツカーの復権はもはや見果てぬ夢となったのだろうか。

《水野誠志朗@DAYS》

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