メルセデスベンツ SLS AMG にレース専用のGT3登場

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
SLS AMG GT3
SLS AMG GT3 全 13 枚 拡大写真

メルセデスベンツの高性能車開発部門、AMGは23日、メキシコにおいて、『SLS AMG』のレースバージョン、「SLS AMG GT3」を公開した。ホモロゲーション取得後、2011年シーズンにデビューを飾る。

SLSAMG GT3は、FIA(国際自動車連盟)のGT3レギュレーションを満たすレーシングカー。その開発には、DTM(ドイツツーリングカー選手権)で、メルセデスベンツチームをサポートするHWA社が参画した。HWA社は、DTMとITC(国際ツーリングカー選手権)で9回、FIAGT選手権で2回、勝利しているモータースポーツのエキスパートだ。

外観は、エアロダイナミクス性能の向上に重点を置く。新デザインのフロントバンパー、中央のエアインテークが特徴のボンネット、前後のワイドフェンダー、ディフューザー、角度調整式大型リアウィングを採用。サイドホイールアーチにはエアヴェント、サイドスカートにはリアブレーキ用のクーリングダクトが追加された。AMGによると、ドラッグを抑え、ダウンフォースを高めることに成功しているという。リアピラーに燃料給油口が移動しているのも、市販車との違いだ。もちろん、軽量化も徹底される。

ドライサンプオイル潤滑システムを採用するM159型6208cc・V型8気筒エンジンは、市販モデルと共通。市販版は最大出力571ps/6800rpm、最大トルク66.3kgm/4750rpmだ。GT3の最終スペックは確定していないが、600psオーバーまで出力は高められると予想されている。

トランスミッションは、パドルシフト付きの6速シーケンシャル。マルチディスクロッキングディファレンシャルで強化される。エンジンをフロント、トランスミッションをリアに置くトランスアクスルレイアウトは、市販モデルから継承。エンジンとトランスミッションが、カーボンファイバー製シャフトを使ったトルクチューブで結ばれるのも、市販のSLS AMGと同様だ。

ダブルウイッシュボーン方式のサスペンションは、減衰力、車高、スタビライザー、キャンバー角などを、サーキットの特性に合わせて、細かく設定可能。ラック&ピニオン式のステアリングは、ダイレクトレシオ化。さらに、車速感応タイプとして、正確なハンドリングを追求した。コンポジットスチール製ブレーキとレーシングABSも装備される。

室内は、スチール製ロールケージ、レーシングバケットシート、6点式シートベルト、オープントップ型レーシングステアリングホイールと、スパルタンな空間。頭と首を保護するHANSシステムも導入された。センターディスプレイには、速度、エンジン回転数、ラップタイム、ギアなどの情報を表示。センターコンソールには、エンジンスターター、トラクションコントロール、リバースギア、消火システム、ブレーキバランスなどの各種スイッチが配される。

SLSAMG GT3は、FIAのホモロゲーション取得後、2011年シーズンのモータースポーツへ実戦投入。競技関係者への販売開始は、今秋以降を予定している。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  4. ホンダ『プレリュード』新型、インドネシアでは「オールブラック」なプロトタイプを初公開
  5. 「日本版より洒落てる」2026年モデルの米国版トヨタ『カローラ』発表に、日本のファンも注目
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る