新型トヨタ『パッソ』&ダイハツ『ブーン』を、180cm+・90kg+の巨漢記者が実際に乗り込んでパッケージチェック。女性ターゲットの小型車だが、居住性はいかに? 続いては、助手席と後席だ。(撮影はお台場メガウェブ)
助手席の居住性は運転席と同様に高く、高さ、横幅ともに問題ない。ただし、後席に人を乗せることを考えると前後の余裕があまりない点ももちろん同じだ。記者クラスの体格の人が後席に少なくとも2名乗ることを考えると、シートをできるだけ前に出さないと厳しい。かといって、『iQ』のように助手席側のダッシュボードを削ってヒザ周りのスペースに余裕を持たせているわけではないので、記者クラスになるとあまり前に出られない。後席に少しガマンしてもらう形になるだろう。
その後席だが、スペック上は3人掛けとなっているものの、さすがに記者クラスの腰回りの人が3人というのは無理。ふたりが限界である。ターゲットである女性なら3人はいけるだろう。ただし、実際のところは、後席は子供を乗せる方が無難かも知れない。運転席にママ、助手席にパパ、後席に子供たちといったファミリーのケースや、前列はママ友達、後席はそのキッズたちというケースが一番良さそうである。
では、記者クラスの体格だと乗れないかというとそうでもなく、前列のシートバックは柔らかい素材が採用されているので、ヒザが当たっても痛くないし、窮屈さもそれほどでもない。つま先も前席の下に入れられる。前列は無理に前に出ようとするとヒザがどこかに当たって痛かったりするので、後席の人に少しガマンしてもらうのがいいだろう。
前列でも感じたのだが、これほどコンパクトにデザインしているのに、なぜかドアのヒジ掛け(アームレスト)は、これまた記者でもピタリとフィットする。一般的な女性の体格なら、記者から15cmから25cm位は低いはずなので、当然その分座高も低くなるから、ヒジを置きにくくなりそうに思うのだが、女性ターゲットのクルマなのに180cm以上の体格の男性に合わせて設計しているわけがなく、幅広く対応できるようなデザインになっているのだろう。
車両価格も100万円からとお手頃だし、取り回しもいいので、街中で足として使えるクルマがほしいという男性ユーザーにも薦められる1台といえそうだ。