フロアマット問題、調査結果を発表---国民生活センター

自動車 ビジネス 国内マーケット
純正マットがずれた場合、マットの端にペダルが干渉する例(国民生活センター資料)
純正マットがずれた場合、マットの端にペダルが干渉する例(国民生活センター資料) 全 3 枚 拡大写真

国民生活センターは30日、乗用車用フロアマットのアクセルペダルに干渉する危険性について、2009年12月から2010年3月の期間におこなった調査の結果を発表した。

2009年11月に米国トヨタ自動車販売が、米国で販売されているトヨタ純正の全天候型フロアマットを装着した場合、アクセルペダルが引っ掛かかり加速を解除できなくなるおそれがあるとして、対象8モデルの改善措置内容を発表した。日本でも自動車のフロアマットに起因すると推定される事故が過去1年間に13件発生、全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)にはフロアマットのアクセルペダル等への影響に関する相談が2004年以降、5年間で13件寄せられていた。これを受け消費者庁が国民生活センターへ調査を依頼したもの。

国民生活センターでは、国土交通省に寄せられた情報のうち比較的販売時期が新しい車両と、事例はないが販売台数の多い国産車両合計26台をテスト対象とした。米国で問題となった全天候型フロアマットと同様の、国内の市販フロアマット、大手カー用品店で販売されている3社4銘柄について、形状、硬さ、縁の高さなどがアクセルペダルに影響するかを調べた。

調査結果によると、純正マットは全て固定できる構造だが、足を強く前にずらすとマットが外れることがある車種が見られた。また、市販マットの4銘柄中3銘柄は、固定できる構造となっておらず、また使用できない車種を具体的に明記したものはなかった。

アクセルペダルへの干渉については、今回のテスト車両26車種中24車種が該当した「吊り下げ式アクセルペダル」では、マットがずれた場合ペダルが干渉することがあった。また「オルガン式アクセルペダル」ではマットがずれるとアクセルペダルが戻りにくくなったり、意図せずにアクセルペダルが押し込まれることがあったという。

また再現テストを実施したところ、アクセルペダルがマットに引っかかると外れることもあるが、引っかかったままだと加速することがあった。さらに、アクセルペダルが全開の状態でも、ブレーキを強く踏めば5車種中4車種は停止した、としている。

国民生活センターは、純正マット着用時にはしっかりと固定すること、市販マットの場合には車両に合ったものを選択し、ペダルに干渉しないことを十分に確認し使用することを呼びかける。またアクセルペダルが戻らない場合には、ブレーキを強く踏む、停止できない場合にはシフトをニュートラルにしブレーキを踏むことを勧める。

一方で日本自動車工業会、全国自動車用品工業会、自動車用品小売業協会といった業界に対しては、市販マットには必ず固定フックをつけ、ペダルに干渉しない形状にするよう改善すること、アクセルよりもブレーキを優先させるブレーキオーバーライドシステムの標準搭載、消費者への安全なフロアマット使用方法の啓発などを要望するとしている。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「赤色くるー!!」2026年モデルのカワサキ『エリミネーター』に熱視線!新カラー&グラフィック追加へ
  5. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る