【ニューヨークモーターショー10】インプレッサ STI、4ドアの理由はサーキットスピード

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スバル インプレッサ WRX-STI 4ドアセダン
スバル インプレッサ WRX-STI 4ドアセダン 全 7 枚 拡大写真

スバルは1日、ニューヨークオートショーで『インプレッサWRX STI』の4ドアセダンを発表した。歴代最速のサーキットスピードを誇るニューモデルは北米で今夏、販売開始が予定されている。

ビッグマイナーチェンジで「WRX」が新たに手に入れたワイドボディを踏襲しひと回り大きくなったボディには、ウィング部がブラック仕上げになりこちらも大型化したグリルとアンダーリップ。フォグランプ周りの意匠に変更が加えられたフロントバンパー等もWRXに準じたフェイスリフトが行われている。

「WRX STI」に4ドアセダンボディが新たに加わったことについて、スバル商品企画本部の森宏志プロジェクトゼネラルマネージャーに聞いた。

「2007年に現行STIが登場した当時、スバルのモータースポーツの中心であったWRC(世界ラリー選手権)で勝つことは至上命題でした。そこでSTIはモデルチェンジを契機に、旧型の4ドアセダンから5ドアハッチバックへ切り替えました。キビキビした走りが求められるラリーシーンでは慣性モーメントを小さくするためにリアオーバーハングの短い5ドアボディが有利です。当時のトレンドであり、『必勝』のパッケージングでした」

「その後スバルがWRCから撤退し、モータースポーツのメインステージがオフからサーキットへと移行。サーキットでのハイスピードモータースポーツにおいては空力に優れた4ドアセダンが有利ですし、セダンモデルの主要マーケットである北米を中心に4ドアボディのSTIを望む声が強かったこともあり、『スバルのフラッグシップは4ドアセダンで造ろう』という方向で、今回5ドアボディに追加する形で4ドアセダンのSTIを作りました」と開発の経緯を説明してくれた。

北米仕様のパワーユニットはこれまでと同じ305hpを発揮する水平対向DOHC4気筒2.5リットルインタークーラー付きターボエンジンと、6速MTの組み合わせをキャリーオーバーしている。大きく改良されたのはそのトップパフォーマンスを発揮できるよう足回りには大幅に手が加えられた点だ。

森氏によると、「北米のユーザーを中心に、ロールの大きさとアンダーステアに対する不満が出ていたので、その対策を行いました。具体的に言うと、フロントサスのロアアーム部にピロボールブッシュを、リアのサブフレームのブッシュは硬めなものに変更し、サスペンションのバネレートと減推力を上げたことで、アンダーステアリングを抑えたシュアなハンドリングを実現しました。さらにロールを抑える為にスタビライザーも強化しています」とのこと。

サスペンション強化に伴い車高も5mm下げられた。CD値に優れたセダンボディのリアに大型のスポイラーを付けたことで、前後ゼロリフトのバランスが取れたものに仕上がり、高速での安定性と空力が向上。その結果5ドアボディに比べ、トップスピードは5km/hアップ(欧州仕様でリミッターを解除したテスト数値で255km/h)したという。

今回は北米市場向けのみの発表ということで、STIの4ドアセダンボディの国内発売についての明言は避けられたが、国内仕様のツインスクロールターボを組み合わせた2リッターエンジンをキャリーオーバーする形で4ドアモデルが追加される可能性は濃厚だ。

《ケニー中嶋》

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