【トヨタ マークX 試乗】先入観を覆す上質セダン…青山尚暉

試乗記 国産車
マークX 250G
マークX 250G 全 6 枚 拡大写真

ハイブリッドでもなく、スライドドアを持つわけでもなく、エグゼなソファ感覚の後席を備えているわけでもないオーソドックスなFRセダンにして、誰もが「部長」に昇格したような豊かな気分(!?)になれる、セダンの良さを再認識させてくれる1台が新型『マークX』だ。

エクステリアはトヨタセダンとして例外的な完成度。端正で躍動感があり、堂々たる車格感さえ備えている。室内、とくにインパネ、運転席回りの質感、スタイリッシュさもまた特筆モノ(Sパッケージに限るけれど)。

ドラポジもまた素晴らしい。インパネの奥行きが短く、スポーツカー的タイトな空間、クルマとの一体感が絶妙だ。ただ、夜のグリーンのイルミネーションはフツーすぎて幻滅ではある。

新型マークXは走りの進化も著しい。山道ではFRらしいバランスのいいフットワークがもたらす気持ち良さ極まる爽快な走りに満足できるに違いない。ギヤ可変ステアリングのVGRS、モノチューブダンパー&コンピュータ制御の減衰力制御システム=AVSの効果絶大で、快適性と操安性の両立が見事。具体的にはいつの間にか運転が巧くなったかのような錯覚を覚えるほど。2.5リットル、3.5リットルを問わず、ゆとりあるエンジンパフォーマンスは実に上質で大人っぽい。

高速道路ではトヨタお得意の静粛性の高さとフラットな乗り心地の良さが際立ち、下手な4WDセダンより安心してステアリングを握っていられるほどの安定感を披露してくれるから恐れ入る。

で、お薦めは十分以上の性能を備え、レギュラーガソリンで乗れる2.5リットルモデル。臭い!? TVCFから想像するより遥かに素晴らしい上質セダンである。これまで、どうにもオヤジ臭いトヨタセダンに拒否反応を示していた人でも、試乗すると「やられた」と思うかも知れない。ボクもその1人なわけで…。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

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