【三菱 RVR 試乗】欧州ターゲットだからこその楽しさ…青山尚暉

試乗記 国産車
RVR
RVR 全 6 枚 拡大写真

最近、とんと新車のなかった三菱から久しぶりにリリースされた新型車が『RVR』。一言で表現すれば、『アウトランダー』よりひと回りコンパクトなサイズだけじゃなく時代にもジャストなSUVである。

サイドモニターの用意がなく、フェンダーからサイドアンダーミラーが生えているのが最新モデルとしては惜しいけれど、ジェットファイターグリルはSUVのルックスに実によく似合ってカッコいいし、インテリアのカラー液晶メーター&インフォメーションもよくぞ採用したなぁと思わせるキレイさだ。

後席に座るとフロントシートが壁のように立ちはだかり、実際のスペースより窮屈な印象を受けてしまうものの、聞けば前席優先だそう。が、走らせると目から鱗。4WD、FFを問わず走破性に優れるSUVらしからぬ、冬でもデュベティカの超軽量なダウンブルゾンを羽織っているような軽快感ある走りっぷりが基本で、エンジンは1.8リットルにしてライバルの2リットルモデルを凌ぐ伸びやかな加速力の持ち主。軽量ボディ&CVTの面目躍如というところだろう。

巡航中の静粛性の高さはサマータイヤによるロードノイズの小ささが効いている。さらに同クラスのライバルと比較した場合、カーブや山道での前後左右の姿勢変化の少なさ=安定感・安心感が印象的。

つまり扱いやすいサイズを含め、ドライバーはあらゆる状況でリラックスしたドライブが楽しめるわけで、また同乗者は酔いにくい、とも言えそうだ。価格も嬉しい。2WDで178万5000円から、4WDで199万5000円からという価格は装備内容を考えると超リーズナブル。

しかもライバル車と違い、今なら2WD、4WDともに50%減税対象となるのだからまさに時代にジャスト、実質的な割安感はさらに高まる。主力市場は欧州(日本国内向けは生産台数の僅か10%)。だからこそ、こんな走りが楽しいコンパクトSUVが出来た、とも言えるんじゃないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  5. VW『ゴルフGTI』50年の歴史で最強、325馬力の「EDITION 50」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
ランキングをもっと見る