BMWのアートカー、17台目はM3レース仕様…ルマン24時間に参戦

自動車 ビジネス 企業動向
アートカー(イメージ)
アートカー(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

BMWは6日、米国ニューヨーク在住のアーティスト、ジェフ・クーンズ氏に依頼して製作される17台目の「アートカー」が、『M3クーペ』のレース仕様車になると発表した。BMWはこのM3アートカーで、2010年のルマン24時間レースに参戦する。

BMWのアートカーは1975年、米国の彫刻家アレクサンダー・カルダー氏が友人のレーシングドライバー、エルベ・ポーラン氏のために描いたのが最初。ポーラン氏のBMW『3.0CSL』は、1975年のルマン24時間レースに参戦し、速さとアートを融合させたという点で話題となった。その後、アンディ・ウォーホル氏やディヴィッド・ホックニー氏など、有名アーティストがアートカーを手がけ、一躍その存在を有名にした。

アートカーの一例を挙げると、フランク・ステラ氏の『3.0CSL』(1976年)、ロイ・リキテンシュタイン氏の『320iグループ5仕様』(1977年)、アンディ・ウォーホル氏の『M1グループ4仕様』(1979年)、ロバート・ラウシェンバーグ氏の『635CSi』(1986年)など。いずれも独特の世界観を表現した傑作だ。

2010年はアートカーの誕生35周年に当たることから、BMWはそれを記念した新たなアートカー製作を企画。BMWと20年に渡って親交のあるアーティスト、ジェフ・クーンズ氏が、アートカーのデザイナーに起用された。同氏は1955年、米国生まれ。絵画や彫刻などにおいて、前衛的な作品を生み出している。

BMWは今回、ジェフ・クーンズ氏が手がけるアートカーが、M3クーペのレースバージョン、『M3 GT2』であると公表した。M3 GT2は、ALMS(アメリカン・ル・マン・シリーズ)に参戦中の『M3 GT』と基本的に共通。ALMSのGT2クラスへの出走を目的に開発されたレーシングカーだ。

エンジンなどの基本メカニズムは、市販のM3クーペがベース。4.0リットルV型8気筒エンジンには専用チューンが施され、最大出力500psを引き出す。ボディパネルにはCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)が使用され、車両重量は1150kgという軽量さ。発進から160km/hまで、わずか3.4秒で到達する。大型ウイングをはじめ、エアロダイナミクス性能も引き上げられている。

BMWは、このM3 GT2アートカーで6月12 - 13日、フランスで行われるルマン24時間レースにエントリー。公開されたアートカーのイメージイラストからは、斬新なデザインが確認できる。ルマン参戦は、アートカーの35周年を祝うにふさわしい一大イベントといえそうだ。

《森脇稔》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
  2. 4億円オーバーのV12エンジン搭載「完全アナログ」なハイパーカー登場!
  3. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  4. トヨタ『ハリアー』6年ぶりのフルモデルチェンジへ…注目ニュースベスト5 2025年上期
  5. 背もたれに貼り付いた子どもたちの頭髪に…学術集会で議論された「ジュニアシートの適正使用」【岩貞るみこの人道車医】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る