【VW シロッコ R 試乗】シロッコの理想形…森口将之

試乗記 輸入車
シロッコR
シロッコR 全 5 枚 拡大写真

ホンダ『CR-Z』に、かつての『CR-X』と比べて足りない部分があるとすれば、こういうキャラだろう。そう思ってしまうほど、『シロッコR』は別物感たっぷりのスポーツクーペだった。

“2リットル直噴ターボ”というエンジン形式は2.0TSIと同じだが、ターボであることを感じさせないTSIに対し、こちらは3000rpmあたりではっきり加速が勢いづく。低く太い排気音のおかげもあって、255ps/33.7kgmという数字以上のスポーツマインドを感じさせてくれる。

さらに感心したのは、FFでありながら力を持てあましていないこと。発進で全開をくれれば前輪は空転するけれど、それ以外で同様の場面に出くわすことはほとんどない。リアサスペンションがしっかり踏ん張るおかげで、フル加速でも前輪の接地感が失われず、FRと錯覚するほどのトラクションで強烈に加速していく。

コーナーでも後ろ足の踏ん張りが安定感を生み出してくれるから、FFスポーツならではの操る楽しさを安心して味わえる。

4WDにしなかった結果得られた軽快な身のこなし、予想以上に快適な乗り心地もうれしい。開発陣が考えるシロッコの理想形はこのRだったんじゃないだろうか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る