【ベントレー ミュルザンヌ 日本発表】工場の職人をデザインスタジオに招いて

自動車 ニューモデル 新型車
ミュルザンヌ
ミュルザンヌ 全 4 枚 拡大写真

ベントレーのインテリア担当チーフデザイナー、ロビン・ペイジ氏によれば、『ミュルザンヌ』のインテリアのデザインテーマは「リング・オブ・ウッド」。

【画像全4枚】

インパネからドアへ、さらに後席の後ろにまでウッドを回している。「室内空間をリング状のウッドで360度取り囲んだ。いわばインテリアを額縁で飾ったのだ」とペイジ氏。

そのウッドは板状ではなく、とくにドアの肩口に張るウッドは厚さを見せるデザイン。薄いウッドを張り合わせる、という凝った製法だ。この形状を決めるにあたっては、「クルー工場の職人をデザインスタジオに招いた」とのこと。「インテリア・モデルのウッドに職人が紙を張って型紙を取り、実際に工場で作れるかどうかを検証してもらった」。

それぞれのウッドはクリア塗装してピカピカに磨き上げている。磨きの工程だけで1週間かけるというから驚きだ。最近は高級車でもクリア塗装しないマット仕上げのウッドを使う例が少なくないが、ペイジ氏は「マットも試したけれど、ベントレーが求める本物感は表現できなかったのだよ」と微笑む。トレンドに流されない信念がそこにあるのだろう。

ウッドと並んで大事な本革については「柔らかな触感だけでなく、匂いも大事にして選んでいる」とのこと。触感を柔らかくするために、革の裏側にソフトパッドを挟んでいることは言うまでもない。革を縫い合わせるのはもちろんミシンが基本だが、「細かいところではミシンを使わず手縫いしている」。超高級車ならではのクラフトマンシップがそこにある、ということだ。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

レスポンス公式TikTok

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 分割式で取り付け簡単、MAXWINの金属製スノーチェーン「K-TIR08」発売
  2. 日産、小型ミニバン『グラバイト』予告…2026年インド発売へ
  3. 【VW ID.4 4000km試乗】「VWらしさ爆裂」さすがの長距離性能、BEVとしての魅力は[前編]
  4. 驚くほど広がる後方視界、ホンダ「Nシリーズ」専用「リアビューミラー&カバー」が発売
  5. マツダ『CX-3』終焉は近い? ガソリンとディーゼル2種に集約、SNSではさまざまな考察飛び交う
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る