フォーミュラ・ニッポン JRP 新社長…生粋の理系に期待

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白井裕社長(鈴鹿サーキット)
白井裕社長(鈴鹿サーキット) 全 2 枚 拡大写真

日本のフォーミュラレースのトップシリーズ「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」が、4月17日に2010年シーズンの開幕(予選。鈴鹿サーキット)を迎えた。

そして同日、シリーズ運営団体である「JRP(株式会社日本レースプロモーション)」の社長に4月1日に就任した白井裕(しらい・ひろし)氏が会見を実施し、厳しい経済状況下にあるフォーミュラ・ニッポンを盛り上げていくべく、所信を表明している。

今回の“チェアマン”人事は、業界内外でちょっとした注目を浴びている。なぜなら、白井氏がモータースポーツ界ではその名を広く知られた“エンジニア”だからだ。

ホンダ在籍時代、1991年にF1「ティレル・ホンダ」のV10エンジンを担当したことで世に名が出た人物で、その後も無限ホンダF1エンジン等に携わり、近年はSUPER GTのホンダ『NSX』(GT500)の開発を指揮してきた経歴の持ち主。それが白井氏なのだ。

NSXが昨季限りで勇退し、後継の「HSV-010GT」が船出したのを見届けて、この春ホンダを定年退職した白井氏が新たに挑むのは、経済状況悪化とも相まって人気低迷が懸念され続けているフォーミュラ・ニッポンの再生、いや新生である。

ホンダのレース活動の最前線に存在し続けた人物であり、ファンに対しても大きなネームバリューを有する白井氏は、このポストには異色と言っていい“生粋の理系”でもある。そこで注目を集めると同時に、この新チェアマンが低迷打開に向けてどんな新機軸を打ち出すのか、その肩にかかる期待も大きいのだ。

「フォーミュラ・ニッポンのブランディングが私の使命。トップカテゴリーとしてのさらなるブランド価値向上を目指す」と話した白井氏。具体的には「まずは参戦台数の増加、そして新たなスポンサーの導入、そのための魅力あるコンテンツの充実」を目標に掲げ、「(将来的には)アジアへの展開も視野に入れていきたい」と語っている。

JRPはフォーミュラ・ニッポンだけでなく、FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン。F3の直下にあたるステップアップカテゴリー)のシリーズ運営も手掛けているが、こちらに関しても中国人選手の参戦等を受け、白井氏は「アジアが注目するカテゴリーにしていきたい」と語り、「JRPは非常に重要な役割を(たくさん)担っている。精一杯、頑張っていきたい」と決意のほどを述べた。その手腕に注目したい。

なお、この日のフォーミュラ・ニッポン開幕戦の予選には14台が出走、ノックアウト方式の戦いの末に小暮卓史(ナカジマ・ホンダ)が1分38秒917のレコードタイムでポールポジションを獲得した。明日(18日)の決勝は37周、約220km。2010年の“日本一速い男”の座を争う全7戦の熱戦、その火蓋が切って落とされる。

《遠藤俊幸》

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