モンテゼーモロ退任、後任はフィアット創業家34歳 伊報道

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ルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ
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フィアット・グループのルカ・コルデーロ・ディ・モンテゼーモロ会長(62歳)が退任する見通しだ。後任は、現副会長で創業家出身のジョン・エルカン(34歳)が就任する見込みである。現地時間20日昼、イタリアのメディア各社が報じた。

モンテゼーモロは1947年ボローニャ生まれ。ローマ大学法学部を卒業後、米コロンビア大学に留学。社会人になってからはフェラーリで1973年から77年までエンツォ・フェラーリのアシスタントを務めた。続いて1974年からは同社のスポーツ部門を指揮し、F1を2度優勝に導いた。

その後フィアットを含む数社でキャリアを重ねたあと、1991年フェラーリに復帰。会長兼社長に就任した。2004年には、フェラーリ会長を務めながらイタリア工業連盟会長とフィアット・グループの会長にも就任。同時期に就任したセルジオ・マルキオンネCEOとともに経営危機にあったフィアットの再生にあたった。

フィアット・グループの取締役人事は株主総会によって、2012年までが任期となっていた。したがって、今回モンテゼーモロは任期途中での退任となる。ただし今後も引き続き、グループ取締役、およびフェラーリ会長の職には留まる。

いっぽう新たに会長に就任するジョン・エルカン副会長は1976年ニューヨーク生まれ。創業家出身でフィアット会長を長く務めたジョヴァンニ・アニエッリの孫にあたる。高校時代をパリで過ごしたあと、トリノ工科大学に入学。在学中21歳のときに、アニエッリの強い後押しでフィアット・グループの取締役となった。大学卒業後、GE(ジェネラル・エレクトリック)を経て、2004年にフィアット・グループの副会長に就任した。

フィアットに関しては、マルキオンネCEOが乗用車部門「フィアット・グループ・オートモビルズ』を切り離す(スピンオフ)する可能性を談話で示唆した。業績が安定している商用車・建機・産業用車両などに軸足を移すことは、グループの大株主である創業家の持ち株会社「エグゾール」の念願であるとの説もある。創業家出身のエルカンへの「大政奉還」は、乗用車分離の布石とみることもできよう。

ちなみに、モンテゼーモロ退任・エルカン就任のニュースを受けて、ミラノ証券取引所のフィアット株価は大きな値上がりを見せ、20日昼現在で前日比8.97%高となっている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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