【高速道路新料金】小沢さんはないものねだりか

自動車 社会 政治
パネルを示して解説する前原国交相(23日・閣議後会見。撮影=中島みなみ)
パネルを示して解説する前原国交相(23日・閣議後会見。撮影=中島みなみ) 全 2 枚 拡大写真

民主党の要望どおりやったではないか---。高速道路の新料金制度案で揺さぶり続ける小沢氏に、まるで前原国交相はそう言いたげな様子だった。

前原国交相は23日の閣議後会見で、昨年末に民主党が発表した政府への「平成22年度予算重点要点」を再配布。9日に自らが発表した新料金案のパネルを持ち出し、記者団の質問に備えた。

民主党の重点要点には「高速道路会社による高速道路整備を推進するため、利便増進事業を抜本的に見直す」という一文があった。前原氏は、高速道路新料金が現在の案でまとまった主な要因は、すべてこの民主党の要求にあるのだと話す。

「利便増進事業は、今まで割引と高速道路のスマートインターチェンジ(=スマートIC)だけに使われてきましたので、当然、それを高速道路の建設に充てるということになると割引の財源は減る、ということになります」(前原氏)。スマートICとはETC車載器を取り付けた車両だけが通行できる小規模ICのことだ。

利便増進事業は麻生政権が主に土日祝日1000円の上限割引のために用意した財源枠だ。10年間で3兆円が用意された。すでに約5000億円が使われた。

麻生政権では、残り約2兆5000億円のうち約2兆3000億円を割引に投入。スマートICに使われる予算は約3000億円だけだった。

しかし、鳩山政権では民主党の「重点要点」に配慮し、割引には約1兆2000億円しか使わず、高速道路建設に料金割引を上回る1兆4000億円を投入する前原案を策定することになった。

小沢氏は民主党の幹事長である。その民主党の要望に配慮した結果が小沢氏の新料金案の否定なのかという怒りが「要望されておきながら、料金が上がっていかんというのは二律背反のことをおっしゃっている」という前原氏の発言ににじみ出ている。

さらに、前原氏は小沢氏の「高速道路新料金案が国土交通省の役人の思い通りに決められている」というたびたびの発言にも反発している。

「お話をされるときは、調べてお話になったほうがいい。政務三役で決めて、国交省に指示をした。事実無根。(役人の思い通りというのは)当たらない」と、小沢氏の批判を切り捨てた。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  2. 【メルセデスベンツ Eクラスオールテレイン 新型試乗】Eクラスを選ぶならこれが一番。ただしお値段は…中村孝仁
  3. 地面が光る「埋込型信号」が日本初導入、「横断歩道がわかりやすくなった」効果に期待
  4. インフィニティの中型SUV『QX60』、改良新型は表情一新…初の「SPORT」も設定
  5. マツダ『CX-5』新型、7月10日世界初公開へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る