【スバルの先進安全技術】「必要であれば止める」、「動き出す」という思想

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新型アイサイトのプリクラッシュブレーキテスト風景
新型アイサイトのプリクラッシュブレーキテスト風景 全 12 枚 拡大写真

富士重工業の先進運転支援システム・新型『EyeSight(アイサイト)』を搭載する『レガシィ』が5月中旬に発売される。22日に行なわれた発表会では、新型アイサイトを搭載したテスト車両が用意され、第2世代となり進化した部分や従来モデルとの違いを体験することができた。

ステレオカメラをはじめとしたハードは先代までとほぼ同様だが、新型ではプリクラッシュブレーキなどの衝突回避機能や全車速追従機能付クルーズコントロールなどの運転負荷軽減機能の“ソフト側”が強化された。

第2世代のプリクラッシュブレーキは、前方の先行車や障害物に衝突するとシステムが認識すると、前方の対象物と速度差30km/hであれば、システムが“必要”と判断すると“停止”という指示をアイサイトからブレーキへ出す。

実際のテストでは、ドライバーが30km/hあたりまで加速し、障害物の手前でスロットル・オフ。そのまま障害物に向かって滑走する。「このままだと衝突」という約1秒前、ピピピピピピピという警告音が鳴り、それでもブレーキを踏まないと、ピーという連続音とともにプリクラッシュブレーキが作動。急制動により約1mで止まる。前方障害物との差はわずか50cmほどだ。

「従来までのアイサイトがクルマを停止させなかったのは、ドライバーが運転支援システムに頼りすぎてしまわないように、過信させないようにと配慮してきたから」と話すのはスバル技術本部電子技術部担当部長の野沢良昭氏。

「速度は落ちるが最終的には止まらないという“万が一の機能”だった。今回はボルボと同様で“止められるならば止めたほうがいい”という思想に立ち、新型では30km/h以下で必要な場合は停止させるようにした」(野沢氏)

ドライバーの利便性向上のために設けられた全車速追従機能付クルーズコントロールは、先行車が停止した場合、追従して停止。さらに停止状態を一定時間維持できるが、危険回避策のプリクラッシュブレーキは、止まってから数秒後にはクリープで動き出す。

テスト車両の担当者は、「すぐに動き出すのはそのあとのドライバーがどうすればいいかという判断をあおぐためという意味もある。これが30km/h以上のスピード、例えば前方障害物との速度差が60km/hで接近していれば30km/hぐらいまで減速される」と話していた。

《レスポンス編集部》

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