23日にプレスデー初日を迎えた北京モーターショー。東風汽車のブースはホンダ、日産、シトロエン(フランス)のOEMモデルをメインに展示しながらも、独自の商品企画を模索するモデルが展示されるなど、次世代へのチャレンジが始まっていることがうかがえた。
ブースの片隅に控えめに置かれた参考出品車『ECS』は、一見OEMのようだが、「実は車体、パワートレイン、ユーザーインターフェイスまで、フルオリジナルの設計」(東風幹部)であるという。
ユニークなのは車内のメーターパネル、オーディオ操作系などのUIが液晶化されていること。「コンチネンタル(ドイツ)とのコラボレーションで、エコドライブが楽しくなるカーコミュニケーションシステムを制作、実装しました」(東風幹部)
メーターの中央に緑がかった円が表示され、燃料消費の少ない状態では小さなまま、不経済な走行をするにつれて円が大きくなり、色も変化する。思想的にはホンダ『インサイト』などに搭載されている「アンビエントメーター」に似ているが、全面液晶の表示能力を生かし、バリエーション豊富なエコ情報を動的に表示できるのは斬新だ。
「まだコストが高く、すぐに採用できるわけではないが、ユーザーの楽しみのためにこういったものを実用化していきたい。そして、クルマ自体も純粋な東風モデルを出していきたい」と前出の幹部は語る。この静かな一歩が、東風の将来の飛躍のメルクマールとなるか。