フィスカー、PHVスポーツカー量産へ…米政府が低利融資

エコカー EV
カルマ(フランクフルトモーターショー09)
カルマ(フランクフルトモーターショー09) 全 12 枚 拡大写真

米国エネルギー省は23日、フィスカーオートモーティブ社と、5億2870万ドル(約497億円)の低利融資契約を締結したと発表した。2010年後半に発売予定の新型プラグインハイブリッド(PHV)4ドアスポーツ、『カルマ』の量産体制を整える。

米国政府は2008年11月、新エネルギー法に基づいて、総額250億ドル(約2兆4000億円)の予算を計上し、次世代環境技術の開発を行うメーカーを支援すると発表した。これに対して、フォード、日産、テスラモータースが融資を申請。2009年6月23日、フォードに59億ドル(約5625億円)、日産に16億ドル(約1525億円)、テスラモータースに4億6500万ドル(約445億円)の総額80億ドル(約7595億円)の低利融資が実行された。

3社に続いて、フィスカーオートモーティブ社も融資を申請。そして今回、米国エネルギー省と正式な融資契約を締結した。同社はこの低利融資を使い、2010年後半に発売予定のカルマの量産体制を整える。

カルマは2009年1月のデトロイトモーターショーで公開。ハイブリッドシステムは「Qドライブ」と呼ばれ、2個の強力なモーター(403ps)によって、約80kmをゼロエミッション走行できる。2次電池は蓄電容量22kWhのリチウムイオンバッテリーで、家庭用コンセントから充電可能だ。

カルマはGMのシボレー『ボルト』と同様に、発電専用エンジンを搭載。バッテリー残量が少なくなると、GM製の「エコテック」直噴2.0リットル直列4気筒ターボ(260ps)が始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電する。これにより、最大航続距離は480kmまで伸びる。

外観はロングノーズに大胆に抑揚を効かせたボディラインが特徴。ボディサイズは全長4970×全幅1984×全高1310mmで、長くワイドながら背の低いプロポーションを持つ。アルミスペースフレームにアルミ複合素材を組み合わせたボディは軽量に仕上げられ、0 - 100km/h加速6秒、最高速度201km/hのパフォーマンスを実現。SAE(アメリカ自動車技術協会)の測定方式による燃費&CO2排出量の見込み値は、28.57km/リットル、83g/kmと公表されている。

フィスカーモートモーティブ社は、米政府の低利融資を利用して、GMの米デラウェア州ウィルミントン工場を買収。工場のラインを整備して、カルマの量産体制を整える。それにより、最大2000名の雇用を創出する。

カルマは今年後半に米国市場へ投入されるが、ウィルミントン工場での生産開始は、2012年後半になる見通し。フィスカー社はカルマのフル生産体制に入る2015年には、年間11万5000台のセールスを見込んでいる。

《森脇稔》

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