【IRL 第5戦】佐藤琢磨、初のオーバルレース

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5月1日、カンザス・スピードウェイでIZODインディーカーシリーズ第5戦が行なわれた。今季初のオーバルレース戦の舞台は1.52マイル(約2.45km)のトライオーバル。オーバルレースの醍醐味であるハイスピードバトルが期待されるコースだ。

2デイイベントとしてスケジュールされていたレースだが、初日の4月30日、2回予定されていた練習走行は早朝降った雨の為に1回が中止となり、練習走行1セッションを終えるとすぐに予選が始まった。オーバルレースの予選は単独走でのタイムアタック。ベストラップではなくインディ500と同じ4周の平均タイムを競う方式だ。

予選セッションでトップタイムをマークしたのはダン・ウェルドン。しかしこのタイムは走行時にインフィールドの白線を越えての走行が認められたため無効となり、ライアン・ブリスコーがポール・ポジションを獲得した。武藤英紀は一時暫定1位となるタイムをマーク。最終記録でも4番手と得意のオーバルで上々のスタートを切り、直前の4月28日にルーキーテストを済ませた佐藤琢磨も11番手と初オーバルの予選でまずまずのタイムを計測した。

5月1日、強い風が吹く曇天の空の下、現地時間午後1時にグリーンフラッグが振られ、27台のマシンが200周先のゴールを目指し一斉にスタートした。スタートのポジション争いを制したのはライアン・ブリスコー。スコット・ディクソンが追う展開でラップが重ねられていった。

73周目、E. J. ヴィゾがウォールにコンタクトし、本戦初のイエローコーション。リードラップにいるマシンが一斉にピットインし、大混雑のピットロード出口で佐藤が両サイドを他のマシンに挟まれる格好で、アウト側のミルカ・デュノのマシンと接触しインフィールドにコースアウト。佐藤はコースには復帰したものの翌周の再ピットインを余儀なくされ10番手から12番手に後退。ブリスコーもここでタイア離脱により大きく順位を落とした。

120周目にコース上のデブリ—回収のため2度目のイエローコーションとなり、全車が順にピットストップを行う中、武藤は6番手から4番手に、佐藤は12番手から10番手にそれぞれポジションアップ。その後佐藤は132周目でハンターレイをパスして8番手、モラエスをパスし7番手に浮上。武藤も先行するカナーンらに並びかける積極的なレース展開で4番手を堅持した。

178周目、ターン4で挙動を崩したルーキーのジェイ・ハワードがセーファーウォールを直撃し、本戦3度目のイエローコーション。全車が最後のフィールをイエロー下で終え、残燃料を気にすることないスティント勝負。レースは大詰めに来て最大の山場を迎えた。186周、残り14周を残し、武藤は5番手、佐藤は6番手の好位置からのリスタートだ。

しかし、この山場で日本勢にとって最悪の事態が起きてしまった。周回遅れの先行車を避けてアウトに膨らんだ武藤のマシンが、ハイサイドから差していった佐藤の行く手阻む格好で接触。2台はマシン破損でリタイア、レースも再びイエローコーションとなった。

レースは193周で再開し、序盤からトップを独走したスコット・ディクソンが今季初優勝を飾った。自戦はいよいよ、伝統の一戦インディ500。5月15日のオープニングディから30日の決勝レースまで、インディアナポリス・モーター・スピードウェイでは連日レースイベントが開催される。アメリカレースファンの『Month of the May』が始まる。

佐藤琢磨コメント:初めてのオーバルレースでエキサイティングな一日でした。最後はイエローコーションから14周を残して(周回遅れのマシンを含め)前方に多くのマシンが犇めく中、武藤選手とサイドバイサイドの状態でリスタート。後で武藤選手とも話したのですが、武藤選手はイン側にいた(オレンジ色の)マシンを避けようと(自分のいる)ウォール側に膨らむ格好になったようで、結果、2人とも行き場を失ってしまったというところです。

応援してくださった皆さん、そして武藤選手のファンの皆さんにも申し訳ない気持ちで一杯ですし、チームが素晴らしい仕事をしてくれたのに完走できなかったことも本当に残念です。しかし素晴らしいドライバーとともにポジション争いをし、オーバーテイクをし、オーバルレースの戦い方が理解できた気がします。

武藤英紀コメント:最終ターンでは佐藤選手がアウトサイドに居たのですが、イン側にいたマシンが膨らんできて行き場を失いました。それまで自分も佐藤選手も良い展開でレースをすすめていただけに、本当に残念です。尊敬する佐藤選手と接触する事態だけは避けたかった。4位フィニッシュを目前に、レースをはやく終えてしまいチームにも申し訳なさで一杯です。次はいよいよインディ500。気持ちを切り替えて頑張ります。

《ケニー中嶋》

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