これまでの『XJ』伝統のスタイリングもとても気に入っていたので、新しいXJがこうなると知ったとき、カッコイイと感じた半面、旧XJを名残惜しむ気持ちも小さくなかった。しばらく何らかの形で旧XJも残しておいてくれてもよかったのにとも思った。
ところが実車を目の前にすると、そのインパクトは大きく、旧XJが「古き佳き時代」に感じられてしまった。そして新しいXJもまた、あくまでジャガーらしい。しかもこの繊細なディテールを難しいアルミで実現したというのだから恐れ入る。
さらに、もっと恐れ入ったのがインテリアだ。デザインの優美さ、素材のクオリティ感には圧倒される。その点は旧XJとの大きな違い。フォードのコスト制約から解き放たれた反動か、タタがそう仕向けたのかは知らないが、ジャガーのフラッグシップ極まれりといったところである。
ただ、その雰囲気の空間の中で、液晶になったメーターにはちょっと違和感を覚えた。Sクラスや7シリーズ、LS等ならまだしも、ジャガーには似合わない気がしなくもない。そのうちこれが高級車の常識になるのかもしれないが…。
1000万円が下限となった価格は、一見高くなったように感じるが、実は旧XJに対してそれほど上がったわけではない。それでいて見た目も中身もバリューはグンと増していて、フラッグシップサルーンのセグメントにおけるコストパフォーマンスはダントツで高いと思う。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの編集部員、自動車専門誌の記者を経てフリーランスに転身。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点と、幅広い守備範囲を自負する。近年は WEB媒体を中心に活動中。




