| 1 | 偉さのシンボル |
ボディサイズは、全長4470mm×全幅1800mm×全高1545mm。コンパクトなサイズと、日本で一般の機械式駐車場に入れる車高が、アピールポイントだ。
BMW共通の「省エネルギー、高性能」をコンセプトとし、可変バルブシステム、ブレーキエネルギー回生システム、そして、優れたエアロダイナミクス等、革新的ではないが信頼度の高い技術でまとめられている。2リットル4気筒エンジンの2駆仕様と、3リットル直6気筒エンジンの4駆仕様が用意されており、車両価格は363万 - 480万円。
Xシリーズの末弟X1は、クロスオーバーSUV然とした『X3』のデザインから決別し、『X6』と同様の乗用車的なデザインに挑戦している。ロングノーズとBMWの新世代デザインのフロントマスクは、2代目『Z4』と同じくクラシックスポーツを志向している。
勇み足もある。初代Z4のサイドのU字型のプレスラインと似た、スピード感を狙ったラインのデザインは煩雑だ。ロングノーズもSUVとしてはバランスを崩している。しかしロングノーズは、精神分析学者ジークムント・フロイトによると「偉さのシンボル」なので、お買い得感のあるプライスと相まって、競合他社の脅威になりそう。
| 2 | クロスオーバーSUVを変えたデザイン戦略 |
革新の次に保守が来るのは、理屈にかなう。保守的で中身の濃そうなデザインはBMWに似合っており、販売も好調のようだ。ただし新世代デザインはクロスオーバーSUVもラインアップに組み込んでいるため、展開が難しくなっている。
本来クロスオーバーSUVは、乗用車と違った頑丈さがアピールポイントなのだが、その乗用車と統一したデザインアイコンがあることが、デザイナーに困難を強いているようだ。従来のクロスオーバーSUVには無いデザインのX6や、X1を生んだのは良いが、デザインの未消化を感じさせるところもある。
BMWのクロスオーバーSUVでは、モデルサイクルの差により、旧世代デザインのX3、『X5』のグループと、新世代デザインのX6、X1のグループとが混在しており新旧を見比べるとよい。ユーザーにとって、アラカルト料理を選ぶようにモデルを選択できる。
| 3 | ブランドとデザイン |
昔、ヨーロッパでは、放牧している家畜に、自らの所有物であることを示す独自の焼印を押していた。北ゲルマン語祖語の「焼印」が、「ブランド」という言葉になったと言われている。やがて、ブランドは「識別するための印」の意味を持つようになった。
企業が様々な商品価値を織り込んだ商品を販売しても、ユーザーがその価値を正しく解読するとは限らない。ブランドとは、開発した商品が、企業の狙いをユーザーに正しく伝えるための印なのだ。BMWの円の中央を十字に4等分し、青と白に塗り分けたエンブレムや、腎臓の形をしたキドニーグリルは、広く認知されたブランドということになる。
クルマ全体のデザインも、ブランドと同じような効果を持つ。その好例として、BMWデザインが挙げられる。BMWの新世代デザインでは、従来の戦略から一歩進めて、クロスオーバーSUVまで含んだラインアップに統一したデザインアイコンを使用し、より強力なデザイン効果を狙っているのだ。
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