昭和電工は、磁石合金用レアアース原料の製造子会社の昭和電工レアアースベトナムの工場が竣工したと発表した。新工場は高性能ネオジム系磁石合金の原料となるジジムメタル、ジスプロシウムメタルを合わせて年間800t生産する。
高性能ネオジム系磁石は、強力な磁力特性を持つことから、ハードディスクドライブなどのエレクトロニクス製品や自動車に使われるほか、今後、ハイブリッド車や電気自動車、風力発電など向けに、市場の急速な拡大が見込まれている。
ネオジムやジスプロシウムといったレアアース原料は、供給の大部分を中国に依存しており、世界的に急増する需要に対応するため、安定調達やリサイクル体制の構築が求められている。新工場はベトナム国内外から調達したレアアース原料や磁石のリサイクル原料などを同社独自の生産技術により加工し、磁石合金生産工場に供給する。
今回の新工場稼動によりレアアース原料の調達の幅を広げてリスクを分散するとともに、高性能磁石合金事業の拡大を図る。