【新聞ウォッチ】トヨタ“五月晴れ”なお時間、役員賞与ゼロも継続

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豊田社長(11日決算会見)
豊田社長(11日決算会見) 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年5月12日付

●パロマ工業元社長有罪、湯沸かし器中毒死、業者の不正改造「漫然と放置」東京地裁判決(読売・1面)

●トヨタ営業黒字1475億円、1兆円コスト減(読売・2面)

●高速鉄道米へ売り込み、リニアに運輸長官試乗(読売・8面)

●サムスン環境・健康に2兆円(読売・8面)

●自動車保険六手続き、1画面で、入力項目を簡素化(読売・9面)

●インディカー初参戦、佐藤琢磨、初心に戻り吸収したい(読売・22面)

●東芝・日立インフラに活路、外需狙い長期計画(朝日・12面)

●三洋、電池に投資集中、洗濯機などパナソニックに一元化(朝日・12面)

●11か月連続でプリウス首位、4月国内新車販売(産経・11面)

●いすゞ84億円黒字、3月期アジアで販売回復(東京・9面)

●パナソニック、クラウド使い生産管理、システム費、4割削減(日経・1面)

●トヨタ復活なお難路、黒字1年前倒し(日経・3面)

●経団連の訪中団環境協力で一致,きょう温首相と会談(日経・4面)

●輸入車販売4月2.6%増、国産車より回復鈍く(日経・11面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車の2010年3月期連結決算が2期ぶりに営業黒字に転換した。

決算発表は「感謝」の気持ちを胸にトヨタ再出発---というボードの前で行われたが、冒頭のあいさつで豊田章男社長は「F1の撤退やNUMMIの閉鎖、品質に関するリコール問題など雇用に手を付けた苦渋の決断をしたうえでの黒字化。一瞬たりとも気の抜けない1年だった」と、社長就任後初めての決算をこのように総括した。

続けて「嵐の中にいることは変わらないが、遠くに晴れ間も見えてきた。乗務員全員の心が一つになって動き始めたことも確認できたので、同じ嵐の中でもずいぶん安心・安全な航海に近づいている」と語った。

きょうの各紙にも予想を上回る「トヨタ2年ぶり営業黒字」について、詳しく取り上げているが、産経では「トヨタ6000億円改善」という大見出しで1面トップ扱い。しかも豊田社長がスピーチする大きなカラー写真付き。他紙も1面(読売は2面)と経済面などで書き分けているが、「徹底節約、トヨタ薄日」(朝日)、「逆風下必至の“お家芸”」(東京)とした上で、「新興国戦略カギ」(読売),「『攻め』転換には時間」(毎日),「収益構造見直し急務」(東京),「リコール問題の克服課題」(日経)などと指摘している。

豊田社長は会見で就任1年の自己採点を聞かれて「今回の黒字はお客様をはじめ、販売店、仕入れ先、従業員の力の結果。彼らに100点をあげたい」としながら「私ども役員は、専務(取締役)以上の賞与を引き続きゼロとする予定。また、品質に対して真摯に取り組む意思表明として代表取締役全員の月額報酬を一部自主返納する」と述べた。

攻めの経営に転じるのには多くの課題も残されており、まだまだ“五月晴れ”になるには時間がかかりそうだ。

《福田俊之》

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