株式会社フォーラムエイトと株式会社ゼットエムピー(ZMP)は19日、自動車や次世代モビリティ、自律移動ロボット分野において協業することを発表。フォーラムエイトのドライビングシミュレータ技術とZMPのカーロボティクス技術を連携させていくとした。
今回開発したのは、フォーラムエイトのバーチャルリアリティ(VR)ソフト「UC-win/Road」と、ZMPの10分の1スケールのカーロボティクス・プラットフォーム「RoboCar」を連携させたVRシミュレーションシステム「UC-win/Road for RoboCar」。
VR空間でのドライビングにより、一般道を模した10分の1スケールのコース上でRoboCarを実際に走行させるといった制御を行なう内容だ。
VR空間を利用することで、精緻な空間表現、多様な交通環境・シナリオを設定、試行できることがポイントとなっている。ASV(先進安全自動車)やITSといった自動車関連だけでなく、オフィスの警備や掃除、工場の搬送などの自律移動ロボットなどの開発にも応用できる内容だ。
ちなみに同システムは、19日からパシフィコ横浜で開催されている「人とくるまのテクノロジー展2010」のフォーラムエイトブースにおいて実際にデモを行っている。UC-win/Roadに接続されたゲーム用のステアリングコントローラを操作して、VR空間内の車を操作できる一方で、実際にコース上ではRoboCarが走っていくのを体験できる内容だ。
ブースにてZMP営業部教育市場開発チームの鈴木道直氏に同システムの今後についてを伺ったところ、「RoboCarからUC-win/Roadへのフィードバックを実現したい」とする。
現状では、UC-win/Road上での操作情報がRoboCarに伝達されているが、その逆はまだ取り入れられていないため、モニタ上と実機とで微妙にずれが生じてしまう。そのため、RoboCarにジャイロなどの装置を追加して実位置の割り出しなどを行い、それをソフト側にフィードバックさせ、完全な同期を目指すということだ。
また、両者による協業の第2段としては、UC-win/RoadとZMP製の9軸(3軸加速度、3軸角速度、3軸地磁気)モーションセンサ「e-nuvo IMU-Z」を連携させ、ドライバーの運転姿勢や動向の検出が可能なVRシミュレーションシステムを開発するとしている。