インドのタタモーターズは21日、インドで起きた2件の『ナノ』の車両火災に関して、その原因に関する調査結果を公表した。
ナノは日本円で約22万円からという低価格を武器に、2009年7月から販売を開始。インド国内で初めて乗用車を購入する顧客を中心に、3万台以上を売り上げるヒット作となっている。
ところが2010年3月、ムンバイ市内で納車されて1時間半しか経過していないナノに車両火災が発生。4月にはグジャラート州において、ディーラーに搬送中のナノが車両火災を起こした。
タタは21日、独立した第3者20名以上で構成する調査委員会の結論を公表。2件の車両火災の原因に関して、最初の火災は排気系の温度上昇、2件目の火災は燃料漏れと公表した。
タタはこれを受け、24日からナノの顧客に対して、販売店での無料点検をスタート。ただし、タタはこの無料点検に関して、「自主的リコールではない」と強調する。さらにタタは、「ナノは発売前に300台以上ものプロトタイプを使い、延べ200万kmに及ぶ走行テストを繰り返してきた。安全性と品質には自信を持っている」とコメントしている。
実はナノは、2009年にも3件の車両火災を起こしており、その原因は、ステアリングホイール付近のスイッチの電気系不良とされた。「安かろう、悪かろう」では、インドの顧客の信頼を裏切ることになるが、果たして…。