【VW ポロ 1.2TSI 試乗】1.4リットルオーナーには悪いけど…千葉匠

試乗記 輸入車
ポロ 1.2TSI ハイライン
ポロ 1.2TSI ハイライン 全 6 枚 拡大写真

VW『ポロ』に、ついにTSIエンジンが搭載された。6月4日発売の「TSIコンフォートライン」と「TSIハイライン」、前者は昨年10月から販売されてきた「1.4コンフォートライン」の後継車だ。つまり1.4リットル自然吸気のポロは打ち切りとなる。

その1.4コンフォートラインの広報車を借りてポロTSIの試乗会に行ってきた。結論を言えば、約6000人のオーナーには申し訳ないけれど、1.4コンフォートラインが消えるのも仕方ないね。1.4リットル自然吸気とDSGの組み合わせは低回転域でトルク不足を感じがち。DSGは燃費のために高いギアを選びたがるし、トルコンがないからトルク増幅作用もない。ターボ過給のTSIなら、この不満がきれいさっぱり消えてくれるのだ。

ポロTSIの1.2リットルエンジンは、『ゴルフ』に先日追加された「TSIトレンドライン」と同じ。最高出力105ps、最大トルク175Nmという数値はともかく、ひと回り大きく重いゴルフを何の痛痒もなく走らせるユニットだから、その力感に不満があるはずもない。1.4コンフォートラインの感覚が残るまま走り始めたら、ついつい思ったより加速しすぎてしまい、アクセルを踏む右足の力加減に気を遣ったほどだ。

過給によるトルク増幅のおかげでDSGとの相性も完璧。ただしゴルフのTSIトレンドラインに比べて「過給でトルクが出ている」と思うシーンが少ないのは、車重が170kgも軽いからだろう。過給が控えめな領域で走っていれば、燃費を稼げるし、右足の力加減と前輪の駆動力の関係がよりダイレクトに感じられて運転しやすい。このダイレクト感は、ゴルフで言えば1.4リットルターボのTSIコンフォートラインに通じるもの。逆に言えば、1.2リットルのTSIは、ポロにこそベストマッチということだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

千葉匠│デザインジャーナリスト
1954年東京生まれ。千葉大学で工業デザインを専攻。商用車メーカーのデザイナー、カーデザイン専門誌の編集部を経て88年からフリーランスのデザインジャーナリスト。COTY選考委員、Auto Color Award 審査委員長、東海大学非常勤講師、AJAJ理事。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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