【パイクスピーク10】モンスター田嶋、「10分の壁」突破はならず!

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田嶋伸博、モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル(公式練習)
田嶋伸博、モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル(公式練習) 全 1 枚 拡大写真

6月27日、米国コロラド州コロラドスプリングで「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムレース」が開催された。

ロッキー山脈の東端、標高4301mのパイクスピークの頂を目指し、1439mもの標高差がある全長19.99kmのオフロードを一気に駆け上がるヒルクライムレースは、米国ではインディ500に次ぐ歴史を誇る伝統の一戦。

コーナーの数は156、平均勾配は7%、路面の半分は未舗装のグラベルで、路肩にはガードレールもない。ひとつハンドルを切り損ねれば600mの急斜面を滑落するというリスクを伴う過酷なレースはまた、標高差による気圧、気温、変わりやすい山岳地の天候といった自然条件との戦いだ。

第88回目の今年も、「キング・オブ・ザ・マウンテン」の称号と、「モンスター」の異名を持つ田嶋伸博選手が、最高峰の「Unlimitedクラス」にエントリー。昨年のウィニングマシン『スズキSX4』をベースに、エンジンをパワーアップし風洞実験による空力特性を高めた「モンスタースポーツSX4ヒルクライムスペシャル」を駆って、6度目の総合優勝と5連覇、そして2007年に自身が記録した10分01秒41のコースレコード更新と「10分の壁」へ挑んだ。

今年はヒュンダイが「打倒モンスター田嶋!」を目指し「ジェネシスPM580」を投入。ステアリングを握るのは米オフロード界の雄にして、07年に田嶋選手が破るまでコースレコード保持していたロッド・ミレンの息子リース・ミレンだ。ジェネシスはモンスターのマシンに比べアンダーパワーながらも100kg以上の軽量化が図られた自信のニューマシンだ。

決勝レース当日、快晴の朝を迎えたパイクスには、250ccのバイクから4t近いトレーラーヘッドを改造したマシンまで2輪、4輪11クラスの計152台が集結。現地時刻午前9時、最初の1台がスタートした。

クラス順に山登りに向かう中、アクシデントによる中断等もあり、10時30分頃を予定していた「Unlimitedクラス」のスタートは1時間近く遅延。その間に空模様がにわかに怪しくなり、ストームの予報が発令された。金曜日の予選を兼ねた最終練習走行日で4分28秒(ボトムセクション)の予選コースレコードを更新し出走順選択の権利を得ていたモンスター田嶋は急遽、天候不安を考慮しクラストップでの出走を決めた。

16マイル地点のコーナーで、沿道の観客を気にしてアウトに膨らむミスをした以外は完ぺきな走りを見せたモンスターは、10分11秒491をマーク。惜しくも自身が持つコースレコードと「10分の壁」突破は果たせなかったが、還暦60歳の誕生日を5連覇で6度目の総合優勝で飾った。

自信のニューマシンでモンスターに挑んだリース・ミレンは、セッティングが決まらず終始アンダーステアのマシンと、降り出した雨でコンディションが悪化した路面に苦しみ、まさかの11分06秒208で3位にとどまった。

昨年に続いてEVバギーで参戦した塙郁夫選手は、13分17秒575とEVを含む「エキジビションクラス」のコースレコードを更新し、クラス優勝を果たした。

《ケニー中嶋》

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