本四高速料金の見直しを受けた地元の反応は、意外にも冷静だ。
「本四高速の上限が安くなるのはありがたいが、2000円の通行料の上に、本四高速の通行料が余分にかかることには変わりない」(徳島県関係者)
前原国交相は4日、参院選で訪れた四国遊説で「全国一律料金にはならない」と、街頭演説で話した。6日の閣議後会見でも同様の趣旨でこう釘を刺している。
「全国一律上限制を導入するとなると、本四会社とNEXCOを分けている意味がなくなる。そうなれば、(本四会社に)出資をしている首長から出資金を返してほしいということになり、償還計画が大きく変わってくる。将来の方向性としては、一つの選択肢としてあり得るかもしれないが、来年の3月で終わる上限1000円を前に、利便増進事業の枠組みをできるだけ早く決めなければならない」
そこで、新たな前原案として提示できるのは、四国の要望に応えつつ、債務返済、他の公共交通を考えた、本四高速の上限料金3000円の引き下げということになる。
それでも地元は、前原氏の発言に懐疑的だ。「選挙期間中に話すことなので、具体案が示されるまでは何も言えない。お金の掛かる話なので、やろうと思ったけどできませんでした、となるかもしれないから」(香川県関係者)。
本四高速と言っても、一言で言えば橋の通行料だ。地元にはこんな意見がある。
「本州と九州の間の関門海峡には関門橋が架かっている。あれは旧道路公団が作ったから全国一律で、本州と四国に架かっている本四連絡橋は本四公団が作ったから別立てという。会社が違うという理屈を持ち出すつもりなのか」(前出・徳島県関係者)
前原氏が繰り返すように、渋滞を加速する区間を無料化するわけにはいかないとなれば、問題の焦点は自ずと上限料金へ移る。上限1000円に慣れた国民にとって、適正価格はどこにあるのか。