【カーナビガイド '10】月額525円の通信費を実現した衝撃のポータブルナビ…カーナビタイム WND-01K 評論家 インプレ後編

自動車 ニューモデル 新型車
カーナビタイム WND-01K
カーナビタイム WND-01K 全 1 枚 拡大写真

使いやすさと斬新さを両立した完成度の高いナビゲーション

それでは実際に使ってみよう。メニューボタンと現在地ボタンをハードキーとしたインターフェースはPNDとして一般的なものだ。他機種から乗り換えても戸惑わずに使える一般性を確保しつつ、独自の操作方法も積極的に盛り込んでいる印象を受ける。ATOKを採用した日本語入力方法や周辺検索などはかなり個性的であり、しかも確かに使いやすい。

目的地検索を行うと「通信中」と表示され、通信ナビであることが分る。とはいっても、待ち時間は1〜2秒程度。全体的なレスポンスは普通のPNDと大差ないし、「通信中」の表示以外は通信を行っている実感はまったく無い。いい意味で普通に使えてしまうのだ。ナビを開始するときに「目的地周辺の天気は◯◯です」というナレーションが入るが、天気を知らせるためというより、通信ナビであることをさりげなく主張しているのかもしれない。

通信ナビのメリットを確かめるため、新規オープンの店舗をいくつか検索してみた。オープン直後の店はさすが無理だが、3〜4か月経過していればデータベースに載る。一般のナビでは購入した時点ですらデータが半年から1年古いのだから、新しい店舗が検索できるのは非常に便利だ。

また、新しい道路が地図に反映されていることも確認できた。実際に画面上で新しい道路があることを確認すると、感動とまではいかないが、かなり嬉しくなる。

ナビゲーション機能は交差点の拡大図、3Dのジャンクションビュー、案内板表示など、一通りの機能が揃っている。GPSだけではなく、ジャイロ、加速度センサーを搭載し自社位置測位を行う。また、ナビ中に渋滞状況が変化した場合は自動的にルートを再検索する。これについては実際にチェックする機会がなかったので効果を体験できなかったが、渋滞回避についてはかなり積極的なようだ。

全体の満足度は大変に高かったが、いくつかクセを感じる部分もあった。たとえば、通信での更新を前提とした地図はシンプルで、遠方を見渡せる3Dビューモードもない、表現力が豊かな最近のPNDと比べると物足りないと感じるユーザーもいるかもしれない。

また、通信時の待ち時間が短いと言っても、リルート時におこなう通信では若干待たされる印象がある。曲がるべき道を間違えて1秒でも速く新しいルートを教えて欲しい時には、じれったい思いをすることになる。この弱点はケータイナビでも同じなのだが、ケータイナビでは弱点と感じない。しかしPNDだとそう感じてしまうのは、やはりPNDゆえに無意識に評価が厳しくなってしまうのだ。通信周りのレスポンスはソフトウェアのチューニング次第では改善が期待できるので、開発陣には是非とも頑張ってもらいたいところだ。

◆通信ナビのもうひとつのメリットはパソコン、携帯との連携

パソコンで見つけたポイントをナビに転送したい。そう思っている人は多いだろう。しかし、これができないナビは多いし、できる機種でも、やる気にならないほど面倒だったり難しかったりする。この点で本機は非常に優れている。

通信ナビである本機では、もともと地点の登録フォルダをサーバー上に置くことができる。そして、パソコン版のナビタイムでもそのフォルダを共有できるようになっている。要するに、パソコンで地点登録をすれば、その瞬間から本機でその地点を呼び出せるということ。本機とパソコンを繋いで転送するなどの面倒な操作は一切必要ない。

パソコンで共有できるのは地点登録だけではなく、検索した地点の履歴やマイカーマネージャーのデータもパソコンからアクセス出来る。マイカーマネージャーとは給油情報などを入力して燃費、消耗部品管理などができる機能だ。なお、こういったデータはケータイ版ナビタイムでも共有できるから、本機と携帯との連携も同じようにスムーズにできる。

◆通信費用は地図データの更新だけで元が取れる

一般的にPNDの地図データは2年おきくらいに発売され、その価格は1万5000円程度が多い。一方、本機の通信料金は2年で12600円。このように考えると、通信料金は地図データの更新だけで元が取れてしまうことになる。通信ナビは便利だが高く付くという印象を持つ人も多いが、どんなナビでもいずれは地図更新が必要と考えてランニングコストを計算すれば、むしろ本機の方が通信しないナビより安いのだ。

最後に、直接的なライバルとなるパイオニア カロッツェリア『エアーナビ』と比較してみよう。エアーナビの通信料金は月額105円〜2079円。通信モジュールが別途必要だが、モジュールは無料で入手できる。また、最新機の「AVIC-T07/T05」では最初の3年間は地図データを無料で更新できるようになった。渋滞情報やパソコン、携帯との連携もほぼ互角の内容だ。

ディスプレイの解像度などハードウエア面、洗練されたUIなどはエアーナビに軍配が上がるが、グルメ検索など通信を活かしてのコンテンツ充実度は本機の方が上だ。あとは通信料金だが、使用頻度が高いなら本機の方が圧倒的に割安となる。安価な通信費でオンラインコンテンツを利用し倒したいというのなら、カーナビタイムは購入候補の筆頭に上がるだろう。

《山田正昭》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る