ダイムラーは5日、欧州向けのメルセデスベンツ『Sクラス』のクリーンディーゼル仕様、「ブルーテック」に改良モデルを投入した。
ブルーテックは、ダイムラーが推進しているクリーンディーゼルテクノロジー。NOx吸蔵還元触媒や尿素噴射装置をSCR(選択還元触媒)やDPFと組み合わせて、排出ガス中のNOxなどの有害物質を削減するシステムだ。
また、「アドブルー」インジェクションも採用。薄めた尿素を触媒内に噴射することで、NOxとアンモニアを化学反応させ、水と窒素に分解する。ダイムラーによると、ブルーテックとアドブルーインジェクションの組み合わせで、NOxは約80%削減できるという。
新しい「S350ブルーテック」グレードは、3.0リットルV型6気筒ターボディーゼルをパワーアップ。最大出力は10%アップして258ps、最大トルクは15%アップして63.2kgmを発生する。0~100km/h加速は7.1秒、最高速は250km/h(リミッター作動)の実力だ。
それでいて、ブルーテックシステムの効率をさらに追求することで、欧州複合モード燃費は14.7km/リットル、CO2排出量は177g/kmと、それぞれ11%改善。排出ガス性能は、欧州で2014年に導入予定のユーロ6を満たす。
新しいS350ブルーテックのドイツ価格は、7万6279ユーロ(約860万円)から。ダイムラーは「Sクラス史上、最も環境性能の高いモデル」とアピールしている。