【ホンダ フリードスパイク 試乗】停まっているほうが楽しいクルマ…青山尚暉

試乗記 国産車
フリードスパイク
フリードスパイク 全 5 枚 拡大写真

『フリードFLEX』が、かつての『モビリオスパイク』の後継車だと思っていたら大間違いだった。この、その名もズバリの『フリードスパイク』こそ真の後継車。FLEXもスパイクも3列目席のない「ちょうどいい」フリードだが、どこがどう違うのか。

簡単に言えばスパイクはフロント回りと2列目席から後ろを専用化。荷室の高さを変えられ、新たにダイブダウン方式となった後席を倒したときの段差をなくす画期的な反転ボードや、ふさがれたリヤクォーターウインドー内側左右5か所のポケッテリア、『ステップワゴン』に迫る顔つき、専用のエアロバンパーによるドレスアップ…あたりが大きなポイント。

ところで、ホンダがどうしても3番目のフリードとなるスパイクを商品化せざるを得なかった最大の理由は、車内で大人が真っ直ぐ寝るため!だ。先代スパイクのユーザーにとって車内泊できる実用性は大きな魅力。が、FLEXだと後席の格納方法がタンブル方式で前後方向にかさばり、ベッド長!?が稼げず、大人が寝ることは不可能。で、「車内で寝れるようにして欲しい」という声が高まっていたのだ。

スパイクの後席はフロア方向に畳むダイブダウン方式で荷室長は最大2015mm。1列目席が最後端位置でも1775mm。幅も1010〜1225mmあり、長さ1800mmのエアーマットレスもブチ込め、大人でもしっかり寝れるというわけだ。

走りは基本的にフリードファミリーと同一。実際にはフロント回りのデザイン変更でその部分のボディ上下剛性が4%下がり、重心も僅かに上がっているのだが、専用のフロントサスでネガティブファクターを解消。フリードの持つ軽快で心地良い走りっぷりはまったくそのまま。

走っているときより停まったときのほうが楽しく使いこなせる…そんな走るベース基地みたいなクルマ、それがフリードスパイクだ。大型犬などペットを乗せるにも最高である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイトなどに寄稿。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言中。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る