【日産 エクストレイル 20GT 試乗】やっぱりSUVにはディーゼル…西川淳

試乗記 国産車
エクストレイル 20GT
エクストレイル 20GT 全 3 枚 拡大写真

電気も内燃機関もハイブリッドも、とりあえずは全部やってみせる! というのが日産の姿勢で、そのことを積極的にアピールしようとしている点は評価できる。(ディーゼルファンにとっては)憤懣遣る方ない日本のポスト新長期規制にも果敢にチャレンジしたのは日産だった。

エコカー補助金終了以降でもディーゼル補助金がもらえるクルマである(『エクストレイル』で最大21万円)。待望のオートマチック。早速飛びついた人も多いようで、マイナーチェンジ後のエクストレイルではおよそ3割が「20GT」のオートマらしい。

なるほど乗ってみれば、元々走りのいいエクストレイルがさらに走りの密度を上げてきたようで、SUVながら相当に気持ちよく走ってくれる。ディーゼルを意識するのは走り出しの最初だけで、それも今流行りの直噴ガソリンの3割増し程度の“騒ぎ”でしかない。

やっぱりSUVにはディーゼルが似合う、という結論だけは、ディーゼル人気がイマイチ盛り上がらない日本においてはトラックに繋がる過去のイメージへと直結してしまうので、実は避けたかったのだが、似合うもんはしょうがない。果たして、このパワートレイン、ミニバンなどへも至急展開してみてはいかがだろうか。

ただし。ディーゼルに乗って本当にメリットが出るのは、距離を沢山乗る人だけだ。たとえ10年乗っても10万km程度じゃ、経済的に元は取れないし、CO2減にもそれほど貢献できないんじゃないか。やはり今のディーゼルは、大方にとってその走り味に期待して乗るというのが正しいわけで、そう考えるとつくづく日本の国土やクルマの使い方には合ってないのだなあ、と思わざるをえない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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