【新聞ウォッチ】エコカー補助金、「売り切れ御免」で突然の幕引き

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年9月8日付

●エコカー補助きょうにも終了(読売・1面)

●NY円83円51銭、15年ぶり水準、東京も83円台(読売・1面)

●エコカー底つく補助金、客もメーカーも不安(読売・3面)

●車保険多彩な割引(読売・13面)

●2010新社長:ヤマハ発動機・柳弘之氏、驚くものづくり目指す(朝日・10面)

●家電エコポイント延長対象は「5つ星」経産相方針(産経・11面)

●りりしくソフトに、女性白バイ隊員着任(産経・22面)

●補助金事実上終了、エコカー需要冷え込む秋(日経・3面)

●スズキ、インド新工場を発表、「市場の急拡大に対応」(日経・9面)

ひとくちコメント

一定の燃費基準を満たした新車の購入者に対する政府のエコカー補助金制度が、すでに底をついた可能性があるという。

予算の残額が、6日時点で約102億円。これまでの1日あたりの申請受理額は平均30億~40億円前後だったのが、3日には約62億円、週明けの6日には約116億円に上っており、予想外の突然の“幕引き”に各紙の報道にも混乱ぶりがうかがえる。

きょうの東京は1面トップで「きのう(7日)の申請分には補助金が不交付も」と報じている。産経も「6日分で打ち切りも」としているが、読売と朝日は「きょうにも終了」、もっとも、朝日は7日夕刊の1面トップで「週内終了も」と報じていた。毎日はきょうも「週内終了へ」と幅を持たせているが、日経は「事実上終了した」と過去形で伝えている。

振り返ってみると、エコカーの補助金制度は2009年度補正予算で導入され、当初は1年の期間限定で実施されてたが、景気対策とエコカー普及に有効な手段になるとして9月までの延長が決まった。

補助金の原資となる予算の総額は5837億円だが、7月末以降、経済産業省がカウントダウン情報を流すまでは「予算が底をつく」と思っていた人は少なかったはずである。「見通しが甘かった」と言い切ってしまえばそれまでだが、直前まで「今がチャンス」とテレビCMを流し、購買意欲をかき立て続けたメーカー各社やテレビ局も情けない。

マイカー購入には最低でも100万円前後の予算が必要だ。デパートなどの「売り切れ御免」の閉店セールのようなものではないはずである。今日の政府や自動車メーカーにみられる「ことなかれの体質」が浮き彫りになった突然の幕引きである。

《福田俊之》

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