トヨタ・スマートセンターを開発、エネルギーの供給と消費を統合コントロール

エコカー EV
記者団の質問に答える友山常務
記者団の質問に答える友山常務 全 18 枚 拡大写真

トヨタ自動車は、スマートグリッドへの取り組みの一環として、住宅・車・電力供給事業者とそれを使う人をつないでエネルギー消費を統合的にコントロールする独自のシステム「トヨタ・スマートセンター」を開発した。

新たに開発したシステムは、今後普及が予想されるプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)、住宅内のエネルギー使用を管理するHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を採用した「スマートハウス」を活用、それらが使用するエネルギーと、電力供給事業者からの電力、自然エネルギーによる自家発電電力などにより供給されるエネルギーをあわせて需要・供給の全体を管理する仕組み。

システムは、居住者・車両使用者にエネルギーに関する情報を提供することで、外部からもコントロールができる。

具体的には、車両から送信されるバッテリー残量やHEMSから送信される住宅内の電力消費の情報と、気象予測データや電力供給事業者の時間帯別料金情報から総合的に判断し、生活圏全体におけるCO2排出量と居住者の電気料金の費用負担を最小化するよう、車両の充電や住宅内の電力消費を調整する。スマートフォンを活用することで外出先からでも情報把握とエネルギーの使用量を調整することができる。

例えば、PHVやEVでは、バッテリー残量やEV走行可能距離の確認、充電時間や空調オン・オフの遠隔制御を最適になるよう制御する。住宅では、電力消費、太陽光パネルによる発電量、家庭用蓄電池の蓄電量、給湯器の貯湯量を確認して家庭用蓄電池やエコキュートを遠隔制御する。

スマートグリッドが注目されている中、太陽光発電によるクリーン電力、自動車のEV化などで、電力需要が従来のスタイルから大きく変化する可能性がある。このため、同システムでは関連する情報を集約して、CO2排出量を低減しながら生活者に負担をかけない仕組みを構築する。

トヨタは、9月16日から「六ヶ所村スマートグリッド実証実験」で、トヨタホーム2棟とPHV8台にこのトヨタ・スマートセンターを実験的に稼動させており、約2年間にわたる実証実験を通じてシステムの実用化に向けて開発を加速する方針だ。

2012年初めまでに市販を予定しているPHV、一部のトヨタホームでもこのシステムによるサービスを提供していく構え。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサス『LM』対抗!これがメルセデスベンツ最高級ミニバン、『Vクラス』後継の最終デザインだ
  2. 「完璧なフルモデルチェンジ」三菱『デリカミニ』が2代目に! 可愛さも機能も大幅進化で「後世に受け継がれる名車」と話題に
  3. トヨタの新型『ヤリスセダン』がタイで登場!「アティブ HEV」にはGRスポーツも
  4. 【三菱 デリカミニ 新型】日本のアニメ文化も取り入れた新「ウルルン顔」は可愛いだけじゃない
  5. 下請法が「取適法」に…2026年1月施行の改正ポイントは?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る