【ボルボ XC60 T5 試乗】軽さが余裕を生む…松下宏

試乗記 輸入車
XC60 T5 SE
XC60 T5 SE 全 5 枚 拡大写真
『XC60 T5』に搭載の直列4気筒2.0リットルエンジンは、ボルボとして初めて直噴ターボを採用した。従来T5は、直列5気筒エンジンにターボを装着したモデルに使われていたグレード名だが、今回は4気筒なのにT5の名前が使われた。

149kW/300Nmのパワー&トルクは1800kg近い車両重量に対しても十分な余裕がある。3.0リットルターボのT6に比べれば数値的に劣るものの、T6が4WDであるのに対してT5は駆動方式がFFになって100kgほど軽くなった。動力性能に不満がないのも当然である。

重量が軽くなったことは走りの軽快感にもつながっていて、吹き上がりの良いエンジンや滑らかにトルクが盛り上がるターボの効き具合などと合わせてワインディングロードでの走りはとても気持ち良いものだった。

トランスミッションは6速のDCTで、自動変速のままでも自然な変速フィールで加速が伸びていくし、積極的にマニュアル操作をしたときのレスポンスも上々だ。

足回りは乗り心地を重視したかなり柔らかめの味付けで、同様に柔らかめのステアリングフィールと合わせて、個人的にはもう少し硬めなほうが好み。このあたりはユーザーによって評価が分かれる部分だろう。

XC60 T5 SEは、豪華装備を意味するSEというグレード名が付けられていることからも分かるように、充実した装備が用意されている。シティセーフティと呼ぶ衝突軽減&回避システムが標準も装備されるている。

それでいて価格は499万円と500万円を切る水準に設定された。これはFF化されたことも理由のひとつだが、このクラスのライバル車に対して十分な競争力のある価格設定だと思う。

唯一の難点は1890mmに達する全幅。全長だけならコンパクトSUVといえるのだが、この全幅は日本での使い勝手に影響する。日常的な運転シーンを考えて買う必要がある。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ハイエースの牙城を崩すか、個性的デザインの「EVバン」が日本上陸…キア『PV5』発売は2026年春
  2. 日産の新型SUV『テクトン』、写真公開…2026年発売へ
  3. スバル『フォレスター』試乗して分かった日本車に対する本音とは…9月の試乗記ベスト5
  4. マツダの新型SUVが約250万円から!?「バグってる」「買わない理由がない」など驚きの声殺到
  5. レクサスの最高峰セダン『LS』36年の歴史に幕、SNSでは「センチュリーが後継モデルに?」との期待も
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る