CAR NAVITIME使ってみた…検索メニューと通信機能はどんな感じ?

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カーナビタイム WND-01K
カーナビタイム WND-01K 全 18 枚 拡大写真

それでは、CAR NAVITIMEで目的地を設定してみたい。まずなによりも、CAR NAVITIMEがこれまでのスタンドアローンPNDと大きく異なるのは、検索データをクラウド上に持っていることだ。

◆通信ナビのネガであった“レスポンス”も問題なし

かつてはパイオニアの初代『エアーナビ』(AVIC−T1)が地図データもPOIもローカルに持たずに、サーバとの通信でのみナビゲーションをおこなっていた。オンデマンドVICSやライブマガジンといった画期的な機能はユーザーからの評価が高かったが、通信ネゴシエーションのタイムラグに起因するレスポンスや地図表現という点でスタンドアローンのナビゲーションに遅れをとっていたことも事実だった。そこで2008年にPNDタイプとして再出発した新エアーナビはローカルのメモリスレージに地図と基本的な検索DBをもっている。

さてCAR NAVITIMEだが、ナビゲーション通常使用ではレスポンスの問題を感じることはまずない。起動時と、検索データを呼び出す際に若干の待ち時間が発生するが、許容できる範囲だ。一方で、ローカルに地図を持つのでスクロールなどの地図描画はスムーズかつ高速。この小さな筐体に通信モジュールとバッテリーを、そしてジャイロや加速度センサーを詰め込みながら、ここまでのレスポンスと高精度のナビゲーションを実現していることは驚くべきだ。

◆検索フローはPNDともケータイともちょっとちがう

CAR NAVITIMEの基本的な操作UIを見てみよう。メニューは、本体左側に設置されているハードキーから呼び出す。ここには「目的地」「登録・履歴・転送」「ドライブ情報」「ワンセグ」の大きなアイコンが4つ表示され、その下に「自宅へ帰る」「ルート」「設定」「ヘルプ」の小アイコンがこれまた4つ設置されている。およそ、左側が使用頻度の高いボタン配置としていることが分かるだろう。

「目的地」ボタンをタッチすると、さらに各種の検索方法が選べる。このうちよく使われるのはやはり「フリーワード」「住所・TEL・駅」だろうか。もちろん、一般的なカーナビゲーションによくあるジャンル検索も利用できる。

フリーワード検索はジャストシステムのATOKの文字入力システムを搭載。50音リストともケータイ入力とも異なる独自の入力方式だ。まず、あ・か・さ・た・な…の「行」が表示される。ここで“あ”をタッチするとあ・い・う・え・お(およびそれらの小文字)の字が現れて決定する。つまり、どんなひらがなも1文字2タッチで入力できる仕組みだ。最初はケータイ入力方式のように“あ”ボタンを連打してしまったが、すぐに慣れる。リズミカルにタイピングできるので、カーナビでは面倒な文字入力が苦にならない。なかなか画期的な入力方法だと思う。

フリーワード検索では目的地の名称だけではなく「ラーメン」「新宿」といったジャンル+地名の複数ワードでの検索も可能だ。

◆通信ナビならではの検索機能

検索系機能で積極的に利用したいのが「グルメ」と「駐車場」だろう。いずれも通信ナビならではの検索で、とくに旅先のドライブでは、この2つは利用機会が非常に多い。

グルメはエリア・ジャンル・詳細条件(クーポンや個室の有無など)・クチコミ評価・予算で絞り込みができる。おまけにリスト表示でクチコミの有無が一覧でき、詳細ページでは「ホットペッパー」や「ぐるなび」などのクーポンの有無、そして「バナフェスaskU」や「食べログ」の口コミ情報が閲覧できる(食べログのクチコミは画面上に表示されるQRコードからケータイで見る)。

駐車場は満空情報や規模、クレジットカードの使用可否、そしてトイレの有無や高さ制限(1.6m)などで絞り込みが可能。詳細ページでは営業時間や料金なども確認できる。この他、旬のスポットをテーマごとに紹介する「おすすめ特集」やNAVITIMEの検索トップ30を見ることができる「ランキング」なども用意されている。

グルメにしろ駐車場にしろ、これらの検索メニューは基本的に条件設定→リスト表示→地図表示or詳細スポット情報というフローで使えるので、検索や文字入力に戸惑うことがない。また、画面右上にはかならず前画面への「戻る」ボタンがあり、メニューのトップや地図に戻りたければハードキーを押せばいい。“直感的に使えるUI”というのはカーナビにとって当たり前といえば当たり前の基本的な機能だが、このあたり、ナビタイムジャパンがCAR NAVITIMEを開発するにあたり「ドライブサポーター」をPNDサイズの筐体に移植しただけのものではないことが分かる。あくまでの専用機ならではのUIを考え抜いた結果といえる。

一方、ワンセグTVについては必要最低限だ。録画や番組表にも対応していない。ワンセグを搭載しない、という選択もあったかもしれないが、ワンセグのチューナーも安価になってきているし、“ないよりもあった方がいい”という考え方だろう。一般的な使用に際しては感度・使いやすさともにこれで十分だ。もっと高度なTV機能を求めるならばケータイを利用するという方法もある。

◆簡易地図で高速道路が混んでいるかが一目瞭然

渋滞情報も充実している。メニューの「ドライブ情報」>「道路交通情報 渋滞予測」メニューでは、現在地および任意の地点周辺の渋滞・規制・取締情報が取得でき、時刻別の渋滞予測も可能。渋滞情報は簡易地図での確認もできるので、どの高速道路が混んでいるかが一目瞭然だ。

ただし、ケータイサービスのNAVITIME ドライブサポーターのように、ルートを引いた際に目的地までの所要時間がグラフで表示される機能は現状まだない。ドライブでの外出は、渋滞のあるなしで移動時間に大きな差が出るので、この所要時間機能はぜひ対応してもらいたいところだ。

なお、10月12日にバージョンアップがおこなわれた。バージョンアップでは、自車位置測位性能の向上や交差点での音声案内の発話タイミングの改善、デモモードの追加などだ。こうしたバージョンアップはユーザーがとくに操作することなく、電源OFF時に自動的にダウンロード/インストールされる。

バージョンアップの知らせはメニュー画面の上にある「TOPICS」欄に表示される。PCやスマートフォンのアプリもそうだが、こうして日々機能追加されて成長していく端末というのは使い減りしないというか、使い続ける動機にもなる。

地図回りの機能や、ナビゲーションの使用感のインプレッションについては、次回に譲ろう。

《北島友和》

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