ダイキン工業、電気二重層キャパシタ用フッ素系電解液を開発…EV活用に期待

エコカー EV

ダイキン工業は、蓄電デバイスの電気二重層キャパシタ(EDLC)向けに耐電圧性の優れたフッ素系電解液を開発、11月からサンプル出荷を開始する。

今回開発したフッ素系電解液を使用することで、3ボルトの高電圧で安定的に作動するEDLCの実用化が可能になった。

3ボルトのEDLCは汎用の2.5ボルトのEDLCに対してエネルギー密度で40%向上する。このため、電気自動車(EV)に使用されているEDLCモジュールの場合、大きさを40%小型化できるほか、部品数を減らせる。

汎用のEDLCは、設計電圧の2.5ボルトを超える高電圧作動時、電解液の分解や劣化に伴う蓄電容量の低下、抵抗値の増大などの問題があった。フッ素系電解液を使用した場合、フッ素化合物の特性である化学的に安定するのに加え、高電圧に合わせた電極構造の最適化で、作動電圧が3ボルトでも安定的に作動する。

この電解液の実用化では、韓国の電気二重層キャパシタ専門メーカーのビナテックが協力、フッ素電解液を使用したEDLCを試作し、高温、高電圧作動時の耐久性評価を行って実用性を確認したとしている。

EDLCはこれまで、モバイル機器のメモリーバックアップ電源やパソコンの無停電電源装置などに活用されてきた。今回の電解液の開発でエネルギー密度が向上するため、今後はEDLCをEVやハイブリッドカー、風力発電装置、太陽光発電装置などのエネルギー分野への適用が見込める。

同社は2011年度にフッ素系電解液の販売を開始し、2015年度には20億円の売上げを目指す。これを加えたリチウムイオン二次電池材料も含めた蓄電デバイス分野では2015年度に100億円超の売上げを目指す。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  3. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
ランキングをもっと見る