コンパクトカーを舞台にした燃費競争が加熱している、非ハイブリッドのガソリン車で燃費ナンバーワンとなる日産『マーチ』の開発責任者、商品企画室石塚正樹チーフ・プロダクト・スペシャリストが現在の心境を語った。
コンパクトカーとしては『フィットHV』が30.0km/リットルを達成。非ハイブリッド車としても、今後マツダ『デミオ』が30.0km/リットルで登場予定、トヨタ『ヴィッツ』では、当初26.0km/リットルとして開発していたものを、マーチに対抗すべく26.5km/リットルでデビューするとの報道もあり、マーチは早くもナンバーワンの座を譲ることとなりそうだ。
石塚氏は「なにやら周辺状況が騒がしくなってきているようで、火付け役のマーチとしましては市場が活性化され世間の関心・注目度が高まり誠に喜ばしい限りであります。ヴィッツさんの26.5km/リットルも本当だとすると、切磋琢磨代ですね。デミオさんの30km/リットルは、、う〜〜ん、当社も頑張らないといけませんねえ」
「いずれにせよ、それが事実である限りは、新型マーチはガソリン車“燃費ナンバーワン!!”と言い続けますので、今後ともどうぞ宜しくお願いいたします」とコメント。
実はマーチには隠し球があり、日産が2011年に欧州市場へ投入するマーチに、欧州計測モードでのCO2排出量95g/kmを目標に開発した、新型3気筒1.2リットル直噴スーパーチャージャーエンジンの搭載を予定している。
欧州計測モードでのCO2排出量95g/kmは、燃費の良い車を例にすると、およその数値でトヨタ『プリウス』では90g/km(26km/リットル)、『インサイト』で100g/km(23km/リットル)と、ハイブリッド車並の燃費を実現する数値となっている。
日本での計測方法である10・15モード燃費では、プリウス(Lグレード)38.0km/リットル、インサイトが30.0km/リットルなので、日本市場でマーチに新エンジンを搭載すれば、30.0km/リットルを超えるものとみられる。
マーチが30.0km/リットル超えの隠し球を投入してくるのか気になるところ、7月の発表会では「日本市場への導入は検討段階」としていたが、その後の見通しを石塚氏聞いてみた。
「お問い合わせの件は、その後特に変更なく、いち早く皆様に自信をもった内容数値を公表できるよう、日々精進努力を重ねておりますので、どうぞ楽しみにしていてくださいね」(石塚氏)
と日本導入への明言は避けられたが、期待をもたせる発言ともとれる。7月26日には報道関係者に向けた説明会で、マニュアルトランスミッション仕様の試作車が公開されている。日本市場へ導入を進めているのであれば、今頃オートマチックトランスミッションとのマッチングに取り組んでいるのかもしれない。